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スバルBRZはオートマで乗りたくなる理由

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

2021年7月、7年ぶりのフルモデルチェンジを行ったスバルBRZ。エンジン排気量を2.4リッターへとパワーアップし、ハンドリングと乗り心地に磨きをかけ、内装の質感が高めたことなどが評価され、以前にも増して人気となっている。

BRZのようなFRのスポーツカーといえば、シフトレバーを操作して運転するMT(マニュアルトランスミッション)車が人気で、AT(オートマチックトランスミッション)車は「邪道」ともいわれるが、筆者のおススメは断然、AT車なのだ。なぜ、AT車をおススメしたいのか。その理由を解説していこう。

 

■AT車に標準装備される機能が魅力

新型BRZは、先代よりも強化されたボディ剛性に加え、エアロダイナミクスも磨かれている。さらには足回りのチューニングも見直したことで、ハンドリング性能が向上し、乗り心地を改善。これによって、サーキットのようなフラット路だけでなく、一般道はもちろんワインディングや高速道路などでも、気持ちよくドライブができるようになった。

また、AT車には、先進運転支援の「アイサイト」が標準装備となった。レヴォーグのように、「ハンズオフ」運転支援機能や、ETCレーン手前での速度調整機能は装備されていないが、前走車との車間距離を制御する全車速追従クルーズ機能や、衝突被害軽減ブレーキ機能、ペダル踏み間違い抑制機能、といった運転支援が可能となる。ヘッドライトのハイ/ローを自動で切り替えるハイビームアシストも搭載される。

BRZのAT車に標準搭載となった「アイサイト」は、全車速追従クルーズ機能や、衝突被害軽減ブレーキ機能、ペダル踏み間違い抑制機能、といった運転支援がつく

フロントウィンドウに配置した2眼のカメラによって行われるこれらの機能は、AT車のみの装備であり、MT車は、設定速度で走行する定速クルーズ機能のみで、その他の機能は装備されていない。価格は、MT車の 税込308万円に対し、AT車は税込325万円。差額は16.5万円だ。

 

■スポーツカーでも先進運転支援が必要なのでは!?

スポーツカーは、アクセルとブレーキで速度をコントロールし、ハンドル操作を駆使して、意のままに走らせることを楽しむクルマだ。これに、クラッチ操作とシフト操作が加わるMT車は、さらに操る楽しみが増す。

しかし、「走る・曲がる・止まる」を意のままにコントロールする楽しみは、MT車だろうとAT車だろうと関係がない。エンジン回転の高まりをダイレクトに感じられるのはMT車の方が上だが、AT車であっても、パドルシフトを活用した滑らかなシフトチェンジも楽しい、と筆者は考える。ちなみに新型BRZのAT車には、パドルシフトを装備しており、最適なタイミングでシフトチェンジする「アダプティブ制御」も組み込まれている。

また、アイサイトのような先進運転支援装備は、交通渋滞や歩行者の多い街中など、運転により気を付けなければならないシーンで、運転をサポートしてくれる。視線が低いため、その他のクルマよりも視界が悪くなりがちなスポーツカーにこそ、こうした支援装備はあると嬉しい。現代のスポーツカーとしては、正しい選択ではないだろうか。

MT車の天敵である交通渋滞や、歩行者の多い街中での運転など、気を使ってしまうこともあるだろう。AT車の先進支援技術があれば、こうした運転にうんざりするシーンなどで手助けしてくれる

ちなみに、MTの設定がなく、ATのみとなるBMW Z4/トヨタ スープラは、当然ながら、ACCやレーンキープといった先進支援技術が搭載されている。また、MT設定しかないホンダ シビックタイプRにも、先進支援技術「ホンダセンシング」が搭載される(ただし、車速が約30km/h未満になると、ACCは解除される)。ATとMT両方を持つ新型フェアレディZの市販型では、インテリジェント クルーズコントロール(ACC)がAT、MTの両方に装備されるようだ(ただし、「プロパイロット」という表現はされていない)。

新型BRZは、サーキットのようなフラット路だけでなく、ワインディングや高速道路などでも、気持ちよくドライブができるモデルに仕上がっている。もちろん、MTで操作やフィーリングを楽しむのも格別なのだが、AT車ならではの装備である先進運転支援の安心感を享受しながら、パドルシフトで操作やフィーリングを楽しみ、気持ちよくクルマを流すのもありなのではないだろうか。

 

■まとめ

世界ラリー選手権(WRC)での活躍を経験してきたスバルは、長きにわたって、スポーツカーと先進支援技術の融合による「予防安全性能」について考えてきたメーカーだ。今回のBRZは、スポーツカーと先進技術のあり方について導き出した、スバル流のひとつの答えだろう。

荒々しく刺激的なスポーツ4WDの姿はすっかり影を潜めてしまったが、水平対向エンジン、シンメトリーAWD、そしてアイサイトといった武器で戦い続けるスバルには、今後も注目していきたい。

Text:MMM-Production,Tachibana Kazunori
Photo:SUBARU
Edit:Takashi Ogiyama

スバルBRZの公式サイトはこちら



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