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学者が絶賛!山P衝撃写真集の驚くべき中身

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【はじめに】山下智久を語るということ

山下智久は「重要」である。存在はもちろんだが、それにもまして、彼の生み出す作品や表現が、意図の有無は抜きに、時代や文化にとって大事な〈出来事)となりうることがある。だから彼から目を離してはならない、語らねばならない。これが彼にこだわり研究・考察を続けるぼくの一番のポリシーだ。

例えば独立。さまざまな見方があったが、彼の選択は自然に映った部分もある。アイドルにも「セカンドキャリア」はあっていい。

多様な生き方が尊重される現代、アイドルだけがひとつのポジションに居続ける必要はない。だが彼に向けられたのは既成の古いまなざしばかりだった気がする。彼の進む先には、いつも価値観や枠組みの更新がある。

それを逃さないためには、観る側も視点を常にアップデートしなければならない。その上で、しっかり時代・文化の絡みの中で彼をしっかり評価していきたい。

そう本格的に考えだしたのは、早稲田大学での講義がきっかけ。大学院からのもともとの専門は現代文学研究。その視点を活かしJ-POP の歌詞やテレビドラマなど、広く大衆文化も考察するようになった。

そんな中、深い人間性と多様な表現力、そして隠れた強いメッセージをもった、彼の「文学的」ともいえる魅力に気づき「これはアイドルで片づけていい存在ではない」と考察を始めた。

そしてもう一つ。山下智久は「言葉の人」。この側面を大事にしたい想いも強い。しばしば言われて(彼自身も認めて)きたように、山 P は決して多弁ではなく、どちらかといえば寡黙で口ベタ。でもだからこそ、彼は自分が発する言葉や表現に、もの凄く鋭敏で誠実である。

平成から令和という歴史の流れ。ジャニーズJr からグループデビュー・脱退、ソロというアイドルキャリアの変遷。目まぐるしい変動にあって、彼が生きる哲学として見出したのが「人生は一度しかない」という言葉(信念)だった。

ソロになって十年間、彼はこの言葉からブレることはなかった。何でもないようだが、これを読んでいる記事もそうであるように、いまは右も左も「言葉」だらけの情報時代。そんな中、ひとつの言葉に立脚し続けるのは並大抵ではない。

ひとつの言葉を信じ人生を進めるその姿は、無数の言葉に溢れ、どれを信じればよいか分からない現代に、ひと筋の”道しるべ”のような凛々しさと頼もしさをもたらす。多くを語らないが、そこに詰まった想いは深く強い。ならば、それを積極的に逆に言語化する人間もいなければならない。

勝手だがそんな想いでぼくは、ドラマ『SUMMER NUDE』以降、三厨朝日のように何かを”待つ”ように続けてきた。

今回の写真集が出ると知ったとき、いまだと思った。今回は彼のどの作品とも違って「言葉」がない(音楽なら歌詞があるが)。だからこそ、この作品については、特別に言葉を出さなければいけない。だからこれを書いた(活字としてこれだけまとまった山下智久論をだすのは初である。それほど重要で意味があるものだということだ)。

これまではアイドルという性格上、彼の作品・表現がもたらす肝心な局面は、都度の「話題」や「反響」という一時的な消費の中で理解したように見逃され、埋もれることも少なくなかった。だが今回の写真集はそうはさせたくない。



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