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学者が絶賛!山P衝撃写真集の驚くべき中身

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【1】自然としての裸体

表紙帯にある写真の印象も先行して「山下智久の写真集」ときくと、彼の肉体美を想像し期待する読者も少なくないだろう。もちろんそのニーズにも応えた作りになっているが、その中にも彼の成長がしっかり刻まれている。

実際、写真集では、衣服の下まで容赦なく「剥き出し」に披露している。でも「おれの身体をみよ」といった安直な体裁では決してない。ページを進めて、地肌がのぞき、裸体が露わになっていっても、変ないやらしさや押しつけがましさを微塵も感じないのがその証だ。

一冊全体をみても「露出する」とか「はだける」「脱ぐ」というような印象を強く感じることは無い。それはここでの主題ではない。そもそも彼はそうした場所をすでに通過してきたのだった。

そのひとつのピークが、2013 年のコンサート『A NUDE』だろう。そのアンコール前のラストに置かれた演目は「Stand Alone」。そこで彼はかつてない形と強度で、激しいロックサウンドの中、胸の中の激しい想いを「装飾など要らない」と言わんばかりに徐々に衣装を脱ぎ捨て、上半身裸の肉体ひとつで力強く表現してみせた。

あそこで重要だったのは「脱ぐ」というプロセスであり、身体のヌードに伴って心も魂も裸にしていくという展開だった。そこから彼の表現(意識)はぐっと成長して、この写真集がある。

少し立ち止まって考えれば当然だが、肉体を見せることが何か「特別なこと」というのは、自然界レベルでみればおかしなこと。他の多くの生物や自然物がありのまま”素”で世界に存在しているように、人間は服を着る文化を持つとはいえ、それを取り払った状態が何も特殊な訳ではない。むしろ極めて〈ナチュラル〉なありようだ。

写真集の冒頭から貫かれているのは、そうした生物として人間を捉えたときの「自然の裸体」というストレートで堂々とした思考とビジョンである。

それによって、読者は連続する彼のはだけた肉体から、エロティックではなく、格別の〈心地よさ〉と〈清らかさ〉を強く感じとる。それはセクシャルなものを表現にするといったこととは全く別種の、人間を「自然」に重ね、その一部であることを確かめるような原始的で実直な表現行為といってよい。

instagram の投稿も含め、しばしば白のT シャツ一枚の山下智久にそれで十分と感じることがあるが、あの充足感も写真集にみえる「肉体・裸体へのナチュラルな捉え方」が、彼の中に確立してあることも理由のひとつだと改めて確認させられる。近年特に際立ってきた、彼のシンプルで「オーガニックな魅力」も、根拠とともにこの一冊には詰まっている。

そしていわゆる「セクシー」や「エクスタシー」といった言葉が似つかわない、彼の見せる自然体の肌や裸は、どこかジェンダーレス的な色も帯びて、多様な価値観を尊重する現代に馴染んでいて、観る側にすっと入ってくる辺りもいい。

【次回へつづく】

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