「山P研究者」の大学研究員が見た、”衝撃写真集”の中身と評価。
山下智久がここにいる ――。
変わらず変わり続ける山Pがいる ――。
「最初で最後」と銘打たれた写真集。最後のページを閉じて、込み上げた直後の感想は「いま出来ること・あるもの全て出し尽くした」だった。
彼が繰り返す〈人生は一度しかない〉という言葉通り、一切の惜しみがない。だからといって変に背伸びもしていない。文字通り、いま自分が持ちうるものを、飾らず、誇張せず、感じる通り、あるがままに身をきって「剥き出し」に表現している。

タイトルの『CIRCLE』には色々な解釈がありえる。その中でも、人間と自然の「往還」、そして自然界の「循環」をテーマにしながらも、彼自身をいま一度「一巡・一周」して確認するような側面も含んだ作品だといえそうだ。
そこには、現在の山下智久の活動・表現・存在・ビジョンといったあらゆるエッセンスが凝縮され投影されている。
ありきたりに聴こえるかもしれないが、コンセプトにしたがって繰りだすひとつの作品表現の中に、自身の特性も垣間見せることはそう容易ではないし、それが可能なのは己を「剥き出し」にすることに本気で誠実ゆえに他ならない。
写真集の主要な特色を紡ぎながら、いくつかの重要なポイントを考察してみたい。
RANKING
1
2
3
5
1
2
4
5