古来よりお守り的な意味が強く、繊細なモチーフは目を引きます!
寒さも本格化して重ねる服も増え、メンズジュエリーの中で人気のあるブレスやネックレスは見えにくくなり、唯一主張できるのがリング。
コートなどで重厚感が増したコーディネートなら、ボリュームあって、強めなモチーフのリングくらいの方が存在感があって、バランスも良し。
中でもスカルや動物などのモチーフは、メンズでは不動の人気を誇るため、15弾の#ジュエリー魂では、スカルやアニマルモチーフのリングをピックアップをしてみたいと思います。
じつはアニマルモチーフには数千年以上の古い歴史があり、人間より優れた特性や力を持つ動物たちを神様に見立てて神聖化し、ファッションとしてだけでなく、お守りとして身につけてきました。
例えば、蛇はとぐろを巻く様がエンドレスなリングのように見えるため不滅の愛のシンボル、トカゲは自ら尻尾を切って生き延びて再生する力も備えるため不死や大願成就のお守り、虎は権力や支配を意味して強さを表す象徴とされています。
そのため有名ジュエラーの多くも好んでアニマルモチーフを用い、カルティエのパンサー、ブルガリの蛇モチーフ「ジュエリー セルペンティ」、ヴァン クリーフ&アーペルやショパールなどが発表した動物モチーフのコレクションなんかは有名です。
そして、女性にはウォレットチェーンと並んで不評なスカルのジュエリーですが、スカルのモチーフには"復活"や"再生"、"人生"という意味が込められています。昔から、人間の魂は頭部に宿ると信じられ、頭部こそ生命や繁殖における強い源であると考えられてきたんですね。なかなか伝わらなそうですが…
では、話をクルリンパと戻してスカルやアニマルモチーフのリングの投稿から素敵な5選をご紹介していきましょう!
レザーズアンドトレジャーズのパンサーリング
まずは、ネックレスの回に登場頂いた@yoji0928さんの投稿から。レザーズアンドトレジャーズ(LEATHERS AND TREASURES)のパンサーリングです。
1980年にデニス・ポリチーノが設立したシルバージュエリーブランド、レザーズ アンド トレジャーズ。
「GOD IS IN THE DETAILS(神は細部に宿る)」をコンセプトに掲げ、昔ながらの技法を大切に新しいスタイルを生み出し続け、2014年からはデニスよりデザイナーとしての技術を認められた向條伸哉氏が2代目デザイナーとして活躍しています。
@yoji0928さんのリングは、パンサー(豹)がモチーフ。ちなみに豹は、キリスト教において人々をキリストに導く伝道者の象徴として扱われています。
本来は、両目にエメラルドがセットされるようですが、ダイヤモンドにカスタム。力強いデザインですが、クリアな目のおかげでクールな表情に仕上がっています。
こちらは15年来のお付き合いとのことですが、磨かれてかなり綺麗になっていますね。今後も磨きながら大切に使ってあげてください!
ビルウォールレザー×マーク・マホーニーのコラボリング
次は、@shinchan_gourmandさんの投稿から。ビルウォールレザー(BILL WALL LEATHER)と、伝説的タトゥーアーティストであるマーク・マホーニー(MARK MAHONEY)とのコラボリングです。
1985年、カリフォルニア・マリブにてシルバージュエリー界の重鎮、ビルウォールが誕生させた、ビルウォールレザー。
かつてトラヴィス・ウォーカー(Travis Walker)が働いていたり、ガボラトリー(gaboratory)の創業者ガボール・ナギー(Gabor Nagy)がブランドスタート時にビルウォールレザーの工房を間借りしてたなど、重鎮っぷりなエピソードは枚挙にいとまがありません。
そんなビルウォールと親交があったマーク・マホーニーによるコラボレーションリングは、ホースシューにホースヘッドをセット。
ホースシューは、馬の蹄(ひづめ)につける"蹄鉄(ていてつ)"のこと。U字型が幸運を受け止めたり、イタリアでは権力者の馬の蹄鉄を直した村人が多くの収入を得たことから金運の良いアイテムとされたり、ジュエリーでは幸運なモチーフとして長く愛されています。
また、馬は古来より人ともに歩み、移動のみならず、多くの戦いの場で重要な役割を果たしてきました。戦闘中も恐れずに敵に立ち向かう姿から"勇気"のシンボルとして扱われます。また広大な草原を駆け回る様から"自由"、高貴な貴族に愛される動物だったことから"気品"を意味するモチーフとしても使われます。
@shinchan_gourmandさんのオーダーしたタイプは、金を溶かしかける"ゴールドサダー(Gold Solder)"と、目にはめ込まれブルーダイヤが素敵! 縁起も良さそうで、食指が動いてしまそうです。
ビルウォールレザーのスカルリング
続いては、@rew1809さんの投稿から。ビルウォールレザーのスカルリングです。
同じくビルウォールレザーのスカルリングは、@rew1809さんが結婚10周年を記念して奥様とペアでオーダーしたもの。
シルバーをベースに金を溶かしかける"ゴールドサダー"が施され、両目にはブルートパーズがセットされています。この石は11月の誕生石で、学問や教養をつかさどり、集中力を高めるとされます。
一方、奥様の方にセットされたのはロードライトガーネット(Rhodolite Garnet)。ガーネットと同様に1月の誕生石であるこの石は、真実・友愛・貞操といった石言葉をもちます。
アニバーサリーのリングがスカルだなんて相当イカしてますし、それぞれの石も素敵すぎます。末長くお幸せに! そしてまた素敵なジュエリーが増えた際には投稿もお願いします。
ちなみに、@rew1809さんもビルウォールレザー×マーク・マホーニーのコラボリングをお持ちですが、先程紹介した@shinchan_gourmandさんのものとは、だいぶ雰囲気が異なります。
石や加工で違いを楽しめるのもジュエリーの面白いところではないでしょうか。
クレイジーピッグのスモール タイガー ヘッド リング&エヴィル スカルリング
4番目は、@tgotoさんの投稿から。クレイジーピッグ デザインズ(CRAZY PIG DESIGNS)のスモール タイガー ヘッド リング(SMALL TIGER HEAD RING)&エヴィル スカル リング(EVIL SKULL RING)です。
ギタリストだったアーマンド・セラが、1982年に渡英。小さなジュエリーシップでパートタイムの仕事に就いたことをきっかけにメキメキと頭角を現し、ロック界のジュエリーデザイナーとしてスタートさせたのが、クレイジーピッグです。
スカルを筆頭に、動物や映画のキャラクターをモチーフにしたシルバージュエリーは90年代に原宿界隈でも話題となり、一大旋風を巻き起こしました。
@tgotoさんのリングは、凛々しいトラが輪を加えた、中世の建物の装飾のような上品なデザインと、ブランドを代表し、メタリカのジェイムズ・ヘットフィールドや故クリフ・バートン、そして多くのロックスターが愛用した名作エヴィル スカル。どちらも雰囲気あって、多くのファンを魅了してきたのが分かります。
ロレックス「デイトジャスト(DATEJUST)」やオメガのヴィンテージ、Cal.260なんかと合わせる感じもカッコいい! また素敵な時計との組み合わせを投稿してくださると嬉しいです。
ナンバーナイン×ジャムホームメイドのスカルリング
最後は、エルメス、グッチ、ネックレスの回に続いての登場となる@roy_clgさんの投稿から。ナンバーナイン(NUMBER (N)INE)×ジャムホームメイド(JAM HOME MADE)のスカルリングです。
宮下貴裕氏が1996年にスタートした、ナンバーナイン。
つねにヒットアイテムを連発し続け、@roy_clgさんのスカルリングも瞬く間に店頭から姿を消し、幻のアイテムに。ちなみに、ブラックメッキのタイプは木村拓哉氏が着けていたことで大きな話題になりました。
こちらのスカルは、他のものとは異なり、あごや口、歯が省略され、スッキリとしたデザインが特長。
確か2002年にリリースされたので、約20年前のものですが、まったく色褪せませんね。
そして、@roy_clgさんは懐かしくてレアな名作を本当にたくさんお持ちで、投稿拝見するたびにノスタルジーに浸ってしまいます(笑)。これからも郷愁を覚えさせてくださ…、いや、もちろん新しいジュエリー、靴、時計の投稿も大歓迎です!
女性がスカルを好まないのも分からなくはないですが、きっとカッコ良くて、バランス取れてれば受け入れて貰えるでしょうし、意味を理解して貰えるようなトークが冴え渡れば、良い方向に転ぶはず。先述したように古来よりアニマルモチーフはお守り的に着けられており、長い歴史もあるので、理解を深めながら踏襲し、センス良く着けこなしてみてはいかがでしょうか?
それでは、本日はここまで。これからも読者の方々が、どんなジュエリーを愛して、ともに過ごしているのか? その審美眼に加え、手入れされた美しい輝き、はたまた長年愛用することで生まれたキズや汚れから感じるジュエリーへの愛着などを「#ジュエリー魂」を付けて たくさんポストしてください! もちろん女性の投稿も大歓迎!
ちなみにですが、会員登録して頂けるとコメントを書き込むことができますので、#ジュエリー魂に対するご意見や感想、「オレはココのジュエリーが好きだー」「こんな切り口でジュエリーを見てみたい」などなど奮ってコメントしてください。
それから、インスタグラムの #ジュエリー魂を介して、皆さんが交流してくれたら、こんなに嬉しいことはありません。
投稿に関してですが、撮影の仕方は自由! ジュエリーのみ、着けている身体のパーツの寄り、そのジュエリーを中心としたコーディネートなどなど、ジュエリーが写っていれば何でもOK。ぜひご自慢の逸品をインスタグラムに投稿してください。もしかすると あなたの投稿を取り上げるかもしれません。
それでは次回の「あなたのジュエリー、見せてください」もお楽しみに!!
Edit:Ryutaro Yanaka