昨年2020年の今頃といえば、1度目の緊急事態宣言下で身動きの取れない中で「自宅で作る」という動きが加速した時期だったのではないでしょうか。自宅の空きスペースで家庭菜園を始められたいう声もたくさん聞きました。
私もご多分に漏れず、ハーブの栽培に挑戦しました。英国料理だけでなく西欧の料理には必須素材ともいえるハーブ。日本では乾燥したものは簡単に手に入りますが、フレッシュなものは種類によっては見つけるのに困難を極める時もあります。
欲しい時に自宅で収穫できるのはとても心強いことです。とはいえ、ハーブは生命力が強く必要以上に大きくなってしまって収穫しきれないことも。「パセリこんなに食べられないよ」とか「バジルが全然収穫せずに花が咲いて枯れてしまった」などよく耳にします。
私も育ったハーブの使い道に悩むこともあり、今回はそういう時に使える、簡単で英国でも実践されているレシピをご紹介したいと思います。
パセリとタイムで「ハーブバター」
パセリもタイムも乾燥させて使用されることの多いハーブですが、フレッシュなままハーブバターにするのもおすすめです。ある程度保存も利き、ステーキやジャーマンポテト、蒸し野菜など様々な料理のよき友となります。
①バターをサイコロ状にカットし室温に戻しておく。バターは無塩の方が塩加減をコントロールしやすい。
②ヘラなどでバターをクリーム状になるまで混ぜる。
③みじん切りにしたパセリとやや粗めにカットしたタイム(茎の硬い部分は使わない)、塩・胡椒、レモン果汁を加えてしっかり混ぜ合わせる。
④味見をして問題なければ、バターをラップの上に移して包む。棒状に成形し両端をひねる。そのまま冷蔵庫で最低1時間冷やす。
バターディッシュなどに入れておくと使う分だけカットして保存できるので便利。
チャイブとチェダーチーズの「マッシュポテト」
チャイブはネギの仲間でよく育ち、使い道の多いハーブです。私はよくチェダーチーズと一緒にマッシュドポテトに加えています。
サイドディッシュとして、あるいは以前ご紹介したコテージパイに、そして前回登場したフィッシュケーキのようにパン粉をつけて焼いたり揚げたりしても非常に美味しいです。
①鍋に水を沸騰させ、塩少々と皮を剥いたじゃがいもを入れる。
②じゃがいもが柔らかくなったらお湯を捨て、水分を飛ばすため弱火に1分ほどかける。
③ボウルにじゃがいもを移し、チャイブ、チェダーチーズ、牛乳、胡椒を加えてマッシャーや大きめのフォークなどで潰す。塩加減をみて問題なければ完成。
《材料》
【ハーブバター】
バター 120g
パセリ 2本
タイム 4〜5本
レモン果汁 レモン半個分
塩 適量
胡椒 適量
【マッシュドポテト】(4〜5人分)
じゃがいも 4〜5個
チャイブ 15〜20本
チェダーチーズ 100g
牛乳 100ml
塩 適量
胡椒 適量
photos&text: Kohki Watanabe
◆渡邉耕希(わたなべ・こうき)◆
愛媛県出身の1992年生まれ。ロンドンの大学でクラシック音楽を学ぶ。現地でヴィンテージ・アイテムの魅力に取りつかれ、服や靴を中心にアイテムの歴史的背景まで探求するようになる。無類のスイーツ好きが高じて開設したYouTubeチャンネル「The Vintage Salon」にて料理や英国菓子作りを通して日本で実践できる英国的生活を発信している。