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FASHION 男のおしゃれ不要論

【リーバイス®ヴィンテージ クロージング】僕が愛した501®1954年モデルの話

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働く男を応援する装うことの理論と応用を網羅! 働く男におしゃれは必要ない、と著者は考えます。しかし人は裸では生きていけません。だから、服を着るのです。もちろん、やりすぎてはいけません。つまり、他者におしゃれだと感じられてはいけないということです。趣味としてのファッションと、日常着る服は異なるのです。

休日のパンツといえば、デニムがその代表でしょうか。ご存知のとおり、もともと労働用ウエアとして誕生したデニムですが、1950年代の映画でマーロン・ブランドやジェームズ・ディーンが着用したことで、若者のファッションアイテムとなり、それが世界に広まりました。

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マーロン・ブランド@Getty Images

あえて労働着を街着とすることは反骨精神や反社会のポリシーを明かすもので、ゲンズブールがタキシードの上着にデニムを合わせ、パリの高級レストランに行ったなど、デニムにまつわる逸話は枚挙にいとまがありません。

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セルジュ・ゲンズブールと、ジェーン・バーキン@Getty Images

ちなみにデニムとは、フランス語のセルジュ・ド・ニーム、つまりフランスのニーム地方のサージ生地が語源とされます。サージ生地とはあや織りのことです。

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デニムの一番の魅力は、素材感にあります。あや織りのコットン、インディゴ染めという素材は、はき込むにつれ色落ちし、生地が擦れていきます。劣化していく様に愛着を感じるのです。同じメーカーのデニムでも同じように色落ちしていきません。現代のプロダクトとしては製品にばらつきがある、または劣化しやすい、として合格点は与えられないかもしれません。

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筆者の501®Z XX。糊落としから、ここまで色が落ちた

しかし、そこにこそデニムの魅力があるのです。ただし、往年の、本物の、劣化を楽しめるヴィンテージデニムはご存知の通り、高値安定。おいそれと手が出るものではありません。

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3万800円/リーバイス® ビンテージ クロージング(リーバイ・ストラウス ジャパン)

しかし、私たちにはリーバイス® ビンテージ クロージング(LVC)があります。これは往年の、本物のデニムを復刻させたレーベルです。リーバイス®では、1980年代にはすでにヴィンテージデニムの復刻を開始しています。ただし、1990年代まではディテールのみの復刻でした。そのディテールとは、往時のシルエットやステッチなどに留まるものでした。オリジナルの1890~1960年代の原材料や生産設備等は、大きく異なります。が、現代ではほぼ忠実に再現できるようになっているようです。それを再現したのが、ご存じ、みんな大好きLVCなのです。

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筆者の501®Z XX、8年ほど着用。サイズは通常32だが、34を選んだ。

LVCのあまたあるモデルのなかで、私が愛用しているのは501®Z XX(1954年)モデルです。定番の501®の1954年に作られたモデルを復刻したそれは、Zの文字が示すようにジッパー・フロントなのが特徴ですが、それ以上に、501®XXの中で最も細身のシルエットが私の愛着ポイントです。細身といっても、流行りのイタリアンパンツのようなパツパツではなく、501®の中では細身というレベル。

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ちなみにXXとは従来の501®よりも丈夫で高品質な生地を使用している証で1915年よりスタートしました。その生地を納めていたのがコーンミルズ社。現行のLVCのものはコーンミルズ製ではないものの、同等のクオリティを備えています。つまり同モデルは由緒正しきXXなのです。

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筆者の505についていたコーン社のタグ。かつてのコーンミルズがコーンデニムとなり、また米国製の象徴であるホワイトオーク工場も2017年には閉鎖された。が、その生地作りはコーン社の管理の元、他国で伝承されている。

ただし、そんなうんちくはこのデニムを前にしたらすべてお忘れいただきたい。大事なのはこのリジッドとよばれる染色時の糊がついたままの、ごわごわとした何とも硬い生地にあります。もちろん、元祖ブランドという安心感もありますが。

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セルビッチもつき、裾にかけてテーパードしていくラインが特徴

往年のリーバイスの生地は、前述のとおり劣化、つまり色落ちしていきます。また糊のついた状態から洗うと生地がかなり縮みます。ですので、一、二度洗ってから裾上げをしなければなりません。ウエストサイズもぴったりのものを買うと洗った後にきつくなってしまうのでご注意を。普段よりも2サイズほど大きめを買うのがいいでしょうか。

まあ、はっきりいって面倒臭いですね。でもその分、頑丈で、シルエットとともに何十年たっても廃れないデニムなのですから。仮に、最新の素材とシルエットをもったおしゃれなデニムを買ったとしても、3年後には生地はボロボロ、シルエットもなんだか古臭い、ということに。またはファストファッションのデニムは2年と待たず、同様のことが起きるでしょう。このLVCの501®Z XXの価格は3万円ほど。流行とは無縁で長く穿け、満足度も高い位置で持続する一本だと私は思うので、決して高くないと思います。

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次回はリーバイス® ヴィンテージクロージングにラインナップされている、ほぼすべての501®を撮り下ろしたので、ご紹介したいと思います。どれも個性豊か、かつ魅力的な細部を備え、何十年も満足できるものです。やっぱり501®は面白い!

次回の記事【リーバイス501】1890年から1966年まで、名作デニムの違いを探る

Photo:Ryouichi Onda
Styling:Takahiro Takashio
Text:Takashi Ogiyama

【お問い合わせ】
リーバイ・ストラウス ジャパン ☎️0120-099-501



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