ネイビーとグレーのリバーシブルは使い勝手が良すぎます!
さて、209回目も 「エルメス」。リバーシブルのシルクニットタイ「ドゥ・タン(2Temps)」です。
普段からネクタイを締める機会は少ないんですが、新年度がスタートしたということで、パリッとアイロンをかけたシャツにネクタイ巻いて出掛けてみました。
せっかく春らしい陽気なんで、装いを軽快に仕上げてくれるニットタイを選んだわけですが、誰もが想像するザックリした編み地ではなく、結構細かめなタイプを。
このシリーズだとエルメスでは、剣先の表裏がそれぞれ別色で4色構成になった「キャトル・タン(4Temps)」が有名なんですが…。
普段からネクタイをする方ならば、4色あれば その日の気分で色を変えられて重宝するんでしょうけど、スーツはネイビーかグレーくらいを 本当たまにしか着ないので、2色で十分。いや、下手したら1色でも十分なのかもしれません。
ただ、ある日エルメスを訪れたら、このネイビーとグレーのコンビが目に止まりまして。
このシリーズは わりと目立つ色の組み合わせが多い中、なんとも使いやすそうな色合わせに感動して 気づいたら清水ダイブをかましていました。
各剣先には 小さく「H」なマークがあるんですが、ボタンを開けなければ ほぼ見えません。
基本、ネイビースーツのときはネイビー側、グレースーツのときはグレー側と、トム・ブラウンよろしく同色のワントーンでまとめるんですが、「小剣ずらし」の要領で、片側をちょっとだけ長くして ずらすと、もう一方の色がチラッと見えて こじゃれた感じになる。
覗く色も派手ではなく、ネイビーだったりグレーだったりなので "あざとさ"や"いやらしさ"は 感じませんよね。
コロナ禍になって早一年…。服装はどんどんカジュアル化して パンツなんてウエストがドローストリングになったイージーパンツタイプか、下手したらスウェットパンツが常習化。ネクタイなんか巻かないし、ジャケットも羽織らない。ベルトも使わないことが多くなってるし、ボタンを開け閉めする服に袖を通す機会すら減ってる気がします。
もちろん足元はスニーカーばかりで革靴の登板も激減しているのですが、新年度のスタートを理由にスーツを着て、ネクタイ締めて革靴履いたら、自然と気分はアガったし、背筋もピーンと伸びて爽快でした。
こんな情勢なので ニュースタンダードが定着するのは当然なんですが、たまには争ってファッションを思いっきり楽しんでみるのもイイもんですね。意識してネクタイ巻いてみて気づけました。
ただエイプリルフールだったもので、バシッとスーツ着込んで大掛かりなウソでもつくんじゃないかって変に勘繰られて構えられてしまい、どの話も思うように進まなかったのは ここだけの秘密です。
わしゃ、オオカミ少年かっ! 「スーツを着たぞー!」
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka