上質な素材感にこだわった、究極のSTAY HOMEスタイル
2020年とともに始まったウィズ・コロナのライフスタイルも気がつけば1年以上。正確には1回目の緊急事態宣言が発令されたのが 2020年4月7日ですから、外出自粛生活はまだ1年経っていませんが、こうも長く続くと、外出時の格好よりもおうち時間をいかに快適に過ごすかが気になりますよね。
そこで今回は、究極の「STAY HOME 2021冬スタイル」(もう少しで春だけど)に挑戦します。
アイテム
カーディガン/ドルモア
Tシャツ/クロスクローゼット
スウェットパンツ/ブルネロ クチネリ
ストール/ロロ・ピアーナ
ネックレス/ダニアーニ
時計/パテック フィリップ
スニーカー/エルメス
日当たりが めっぽう良いこともあって、自宅ではほぼ Tシャツに短パン。床暖をつければ、よっぽど寒い日でない限りこれで十分なので、毎日同じような格好をしています。
外出自粛要請が出た当初は、それでもお洒落をしようと考えたものですが、人間は弱い生き物です。特に、ひとりで過ごす時間が長いと、ついついラクなほうに流されてしまいます。
47歳で亡くなった劇作家の寺山修司は「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」という名言を残しました。そう、コロナに負けず 前を向きましょう。
ネットで出合ったそんな言葉に奮い立ち、一念発起。どうせならSTAY HOMEのファッションを極めてやろうと思い、挑戦したのがこのスタイルです(徒歩圏内への外出は、家着にそのままアウターを羽織るだけで出かけたいのですが、さすがに短パンは寒くって……)。
初登場となるドルモアのカーディガンは、以前から持っていましたが、家の中でばかり着ていた一着。ライトグレイのケーブル編みは、優しく上品な雰囲気があるので、今回はこのライトなトーンを基調に合わせてみました。
インナーのTシャツは、僕が監修したクロスクローゼットのヘンリーネックモデル。世界トップクラスの綿花を原料にしたスビンプラチナムという素材が、とにかく気持ち良くて一度着たら手放せなくなります。
ボトムスのスウェットパンツは、ブルネロ クチネリのもの(ワタリは細く、裾丈は短くお直ししました)。こちらも初めて触ったときはカシミア製かと思ったぐらい 手に吸い付く感じがすごく良いんです(笑)。
そんなSTAY HOMEのスタイルに、ダミアーニの「コスモポリタン」シリーズのネックレスをプラス。実はこれ、いつも着けているんですが、これ見よがしな感じがしてネックレスを見せるのがあまり好きじゃないんですよ。
だから、普段はクルーのTシャツやドレスシャツの中に忍ばせているのですが、今回は家着の延長なので、まいっか、と。
で、ここからが外出仕様。グレイとトーンを合わせたロロ・ピアーナのストールは、神々の繊維と呼ばれるビキューナ製。触った瞬間、腰砕けになるぐらいフワフワでトロトロです(笑)。
時計は、ネックレスの色と合わせてケースがゴールドのパテック フィリップをチョイス。足元には、かなり前に購入したエルメスのスエード製スニーカー「クイック」を合わせました。
中心となるコーディネイトは、ライトグレイと白のコンビネーション。それにアクセントとして加えた小物を、暖色系とゴールドで統一したのがポイントです。一見、フツー過ぎるぐらいフツーな印象ですが、ここではとにかく上質な素材感にこだわっています。
エロスを挙げるとしたら、やっぱり優しい肌触りでしょうね。こういう状況なので、他人が、僕が着ている服に触れる機会はないと思いますが、とにかく自分が気持ちいいことが大事。
でも、一見わかりにくい分、小物に肌なじみの良いゴールドを使い、身体の中心に人目を引くドローストリングスを配置することで撒き餌にしました(苦笑)。
こんなに地味なのに、正直かなりお金はかかっています。おそらく、普段のスーツスタイルとほぼ変わらないぐらい!? きっと、わかってもらえないとは思いますが、いいんです。これは編集部の谷中の連載「こじラグ」ならぬ、干場の「こじカジ」。完全にこじらせてしまった干場の独演会というか……。そう、自己満の世界だと笑ってくださいまし。
今回のスタイルのキモは……。
●STAY HOMEのスタイルは上質な素材感にこだわる。
●優しいトーンの色使いで統一すると上品な雰囲気に。
●外出時には少しだけよそ行き仕様のアクセサリーを。
●たとえ自己満と言われても、自分が気持ちよければよし!
●新しい生活様式は、無理せず、油断せず、続けることが大切。
Photo: Ikuo Kubota (OWL)
Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba
最新刊となる7冊目は、いわゆる”ファッションの本”ではありません。性別問わず、誰しもが気になる人を惹きつける内面の魅力である色気の重要性。ファッション以前の人間的な、大事な部分について迫りました。色気があるとないとでは、仕事だけでなく、遊びや恋愛など、人生でのさまざまな局面が変わってきます。とはいえ、これと言った正解、とらえどころがないのが色気です。
異性を惹きつける性的な魅力が色気なのか? 髪型や体型、メイク、香り、ファッションなど外見をセクシーにすれば色気は出るのか? 肌の露出を高めボディタッチをすれば色気は出るのか? 逆に隠せば色気は出るのか? 雰囲気や仕草、目の表情、声に色気は宿るのか? はたまたダメ男やダメ女に色気はもたらされるのか? 上品な色気と下品な色気の違いとは? 男性が思う女性の色気とは? 女性が感じる男性の色気とは? 「色気力」とはいったい?
いろいろな経験をしてきたけど、まだまだ辿り着けない「色気力」。本書では、過去の失敗やコンプレックスを乗り越えながら学んだ「色気力」の正体に迫ります。巻末には、和文化総合プロデューサーであり、上品な佇まいからそこはかとなく「色気力」が溢れる美人エッセイストでもある森 荷葉さんとの対談「男と女の色気」もあります。お楽しみに!
あなたの基本を作り、周囲の人を心地良くさせるコツを紹介します。急速に変化する対人関係の在り方のヒントが満載の一冊です。ありがたいことに発売前から全国からたくさんの問い合わせをいただいております。ぜひ読んでいただけると幸いです。
「色気力」 (集英社文庫)
【エロサバ】-Hoshipedia
「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。