FORZA STYLE - 粋なダンナのLuxuaryWebMagazine
FASHION 店主の拘りが強い店

【上野・アメ横『玉美』】 オリジナルにこだわり続けて71年。セレクトショップの草分け的存在はいまも元気だ!

服好きにとって、メンズショップの店主やスタッフと服の話をするのは何よりも楽しい。マニアックで博識でクセがすごい店の“トリセツ”を紐解いていく新連載2回目は、創業1950年で、インポートショップやセレクトショップの草分けと称される、上野・アメ横の『玉美(たまみ)』をチェック!

FORZA読者にオススメという玉美オリジナルの薄手で軽いサマーウールのアイビージャケットと、ニットに縮絨をかけたオーストリアの伝統的なチロリアンジャケットを手にした3代目の現代表、相羽岳男さんは、「私の青春はお客さまの青春。今もオリジナルアイテム作りにこだわっているのは、お客さまが望んでいるアイテムがどこにも売ってないから」と熱く語ります。

【玉美のトリセツ①】店名の由来

創業者の相羽信太郎は、愛妻家だった!

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玉美という店名は、初代社長の祖父の相羽信太郎の奥さんが、玉という名前で、「玉が美しい」ということで「玉美」と付けたそうです。創業時から夫婦で切り盛りしていたようですね。信太郎と玉の間にできた2代目に娘が2人いて、私はその長女と結婚しました。

玉美にはハタチの頃から買い物に来ていて、当時、自分は御茶ノ水にあった「ハイストーン」という店で働いていました。あの頃では珍しくサーフィンやスケボー、テニスなどにチカラを入れていて、輸入衣料品なども扱っていたユニークな店でしたね。若い頃から、自分でお店をやりたいと思っていたので、カミさんとはいい出会いでした。

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相羽岳男さんは昭和30年生まれ。三軒茶屋『セプティズ』の代表の玉木 朗さんと同じ年齢で、玉木さんもアメ横で働いていた「同志」とのこと

──玉美は、JR御徒町駅・北口から春日通りを渡って、「アメ横」に入り、スポーツロンドンと小島屋の間を入って1本目を左折した上野センター内にあって、店頭には王道のバラクータG-9やフランス製のテーラードジャケット、マクレガーのドリズラージャケット、アメリカのパックTなどが定番として並んでいますが、玉美の醍醐味は店の奥に……

【玉美のトリセツ②】オリジナルアイテムが熱い!

こだわり満載のオリジナルは、玉美のみの扱いで、卸もなし!

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「ハリスツイードならではのラギット感が楽しめるアイビー型ジャケットです」。3万3000円

うちの店で扱う商品は、できるだけ変えないようにしています。大事にしているのは、日本に工場があって、モノ作りもきちんとしている下請けさんを残していくことですね。

本当は「本物」が欲しいんですが、メーカーやブランドの状況が変わって無くなっていくものも多い。大手のセレクトさんや百貨店ならブランドと組んだコラボや別注ができるんでしょうが、うちの店の規模ではとてもそんなことはできないので、「昔はみんなこういう服が好きで着ていたけど、今はどこにも売っていないんだよね。でも玉美にならあるかも?」という商品をインプットして、「そろそろコレを出す時期かな?」というモノを少しずつ店に出しています。

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「このスタッグシャツジャケットは、ウールリッチの最後の生地を使用した玉美オリジナル。今ではマーケットで全く見かけることがなくなりました」。2万9000円

玉美はアメ横にずっと1店舗で、卸もしていません。オリジナルを作ってコツコツ売っています。お客さまの中には、「30年前に玉美で買ったけど、ボロボロになったので買い直したい」と来られる方もいて、そういう人のために本物の匂いがするオリジナルを残したい。ずっと通ってくれるファンは、店の素晴らしい財産です。

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「ダイアゴナル柄は、昔はウールリッチがよく作っていたんですが、今もヨーロッパにしかなくて、これはイタリアのマンテコ(MANTECO)という生地を使っています」。2万2000円

私が一番大事にしているのは、料理でも何でもそうですが、まず「素材」です。生地やボタンなどの付属が良くないと、味が出ない。それはオリジナルで作るジャケットでもシャツでもずっと心がけています。お客さまが望んでいるのに世の中にないのは本当に残念なことですね。

【玉美のトリセツ③】アメ横と流行の現在・過去・未来

洋服は、見て触って着て、店で話を楽しむのが一番大事なこと

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イタリア製のローデンクロスを使ったオリジナル・フィールドジャケット 3万3000円

──玉美のホームページにある「OUR COMPANY」に、店の歴史が1950年代からこと細かに書かれていて、読み進むと当時の流行やそれをリードするインポート事情がよく分かるので必見です!

今のファッション事情ですか? 今の時代はこれ!と言い切れないいろんな要素があって、お客さまともよく話をするんですが、「ユニクロ以前とユニクロ以後」で、時代がガラッと変わっちゃったなと。

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自分の息子は平成生まれなので、生まれたときからユニクロがあって、小学校、中学校、みんなユニクロで買って着ていた世代なので、私から見れば、没個性で付和雷同。自分で欲しいモノを探して、自分で挑戦してみることがない、そういう時代・世代なんでしょうね。

僕らはモノがない時代に育って、店にあるこういうモノと出合って、巡り会えて、お金と時間は使ったけど、今振り返れば良い時代だったなと思います。特に70~80年代は、アメ横しかなかったですからね。

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玉美のオリジナルプリントシャツ

店主になって30年ぐらい経ちますが、アメ横はガラッと変わりました。外国人が増えて、外国資本が増えたのと、人も世代交代しているので、だんだん混沌として、雑多になりつつある。ましてコロナ禍の中で店舗数が少なくなっています。

ただ、玉美には若いお客さまも多く来ますよ。彼らと話をしていると、洋服は、見て触って着てみるのが一番大事だなと思います。

【玉美のトリセツ④】プリントシャツとロックTの天国!

本物が持っていた価値や、青春時代のメモリアルを継承していきたい

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レインスプーナーのシャツ 1万5800円

玉美といえば、「REYN SPOONER(レインスプーナー)」で、アメ横が全国で初めて扱って、今でも大事にしています。プリントシャツにも力を入れていて、「ポロカントリー」や「ポロウエスタン」が、NYの生活雑貨用の生地を使った花柄のシャツを作っていて、凄いアイデアだと思い、ポロに供給していた生地メーカーから生地を買ってオリジナルで作っています。今シーズンのオススメはラベンダーシリーズですね。

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長袖ハワイアンシャツ 1万2100円

オリジナルのプリントシャツは縫製にも凝っていて、レインスプーナーの70年代の作りをそのまま継承して、日本の縫製工場で仕上げています。袋縫いやボックススリット、今ではほとんど見かけないすくい縫いや、レインスプーナーならではの白い練りボタンなど、しっかり受け継いでいますよ。

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TシャツはロックTが人気で、これからどんどん増えていきます。コンスタントに売れるのはやはりビートルズやストーンズなどで、アメ横という場所柄、50~70歳ぐらいが聴いていた音楽やバンドが人気ですね。1969年のウッドストック50周年記念Tシャツなども売れています。

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今のロックTというと黒いボディばかりですが、往年のロック少年が歓喜する掘り出し物にも出合えます。この取材をしたライターさんもスティーリー・ダンのTシャツを「初めて見た!」とうれしそうに買って帰りましたよ。

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玉美(たまみ)
東京都台東区上野6-4-12
TEL 03-3831-7502
火曜日定休

Photo:Shimpei Suzuki
Text:Makoto Kajii



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