奥様に感謝をして、まずは頻度を見直してみて
★★★
ようこそ お越しくださいました
ここは繁華街にひっそりと佇む
『純喫茶ぺぺ』
昭和レトロでどこか懐かしさを感じる
恋に迷える大人達のユートピア
ここは純喫茶の雰囲気を大切にしており
一風変わった店主が
お客様をイメージした珈琲カップの代わりに
お悩みにぴったりの「恋のナンバー」を
硬派にお出ししております
刺さりすぎて気絶なさらないよう
お気をつけくださいませ
どうぞ 最後までおくつろぎの上
ゆるりとおたのしみください
純喫茶 ぺぺ
★★★
本日のお客様は、
結婚3年目、妻は専業主婦、2歳の娘がいます。
僕には人生を変えてくれた趣味があり、週4〜5回通っています。
この趣味に対し、妻は「貴方ばっかり好きなことして」など苦言を呈するようになり、機嫌が悪い日が増えました。
小遣いの範囲でやってるのだからOKじゃないかというのが言い分です。
結婚後に趣味を楽しむのは悪いことでしょうか?
──悟り豆 公務員(35)
悟り豆さん、ご来店ありがとうございます。
取り組み方がアスリートで、趣味の域を超えていらっしゃるご様子ですね。その情熱に気絶してしまいました。
好きなことを仕事に出来ている方ってほんの一握りで、生きる為に自分を押し殺して仕事をなさる方も多いですよね。
趣味でリフレッシュをしたり英気を養うことは、我々にとって明日への活力になる大切な時間だと思いますので、個人的には是非続けて頂きたいのです。
その上でも、パートナーに理解して貰うことが必要不可欠ですので、是非一緒にあれこれ考えましょう。
【結婚&出産への感覚の違い】
「貴方ばっかり好きなことして」という奥様の言葉、個人的にはちょっと引っかかりました。
ご家庭の都合によっても様々ですので一概には言えませんが、男性は結婚しても独身気分の方を多くお見受けします。
所帯を持って、「家族の為に一層仕事を頑張ろう」という精神的な変化はあるものの、結婚したからといって仕事内容が変わったり、タスクが増える訳ではないですし。ライフスタイルがガラリと変わる方は少ない筈。
【辛辣な言葉の裏側】
一方で、女性は「結婚」という高揚した状態からスタートし、命懸けの出産を経て、身体の変化ばかりか、働き方も生活リズムも全てが様変わりします。
その上、家事・育児という明確なタスクが増えるのですから大変です。
初めての事態に余裕が無いうえ、妻であり母親である役割を果たす為に、人知れず自分のやりたいことを封印してしまっている方も多いのではないでしょうか。
【変化への温度感の違い】
今回の場合も、家計から趣味への自己投資に不満があった訳ではなく、「結婚後の変化への温度差」から、「貴方ばっかり好きなことして」という寂しい言葉が出てしまったのだと思うのです。
育児中のダンナの趣味を禁じる奥様も多い中で、好きなことを認めてくれている奥様に感謝をして、まずは頻度を見直されるのはどうでしょうか。
【家事をしない日を作る】
今度は、ダンナの肩を持たせていただくと、「平日仕事を頑張ったから、週末はリフレッシュするぞ」と意気込んで迎えた週末に、 「休みの日くらい家族サービスしてよ」「〇〇に連れて行ってよ」の一言に気絶した経験はありませんか。
償いのホリデーは大切だけれど、休みの度に強要されては心身ともに疲労が増してしまいますよね。
それは普段、家事と育児を一手に引き受けている奥様も同じですので、本音を言えば奥様も休日くらい家事から解放されたいと思っている筈。
ここは一つ、週末の片方を「家事をしない日」「リフレッシュする日」と題して、お互い気を抜ける日を設けるのも一つの手だと思います。
奥様もまた、家事から解放される日が確保できれば、ダンナへの小言も少なくなる筈です。
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【お答え】
趣味への頻度を考えつつ
夫婦お互いが 本当の意味で「休める日」
を設けるのはいかがでしょうか
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今回ご紹介するナンバーは伝説の歌姫 山口百恵さんの「ロックンロール・ウィドウ」。
このナンバーは、旦那が趣味(ロックンロール)にどハマりして、全然かまってもらえなくなる奥様を、自らの境遇を自嘲的に「「ウィドウ(未亡人)」と名付けたことに由来しています。
アメリカには実際に「ベースボール・ウィドウ」という言葉があり、野球のシーズンが始まると旦那に全然かまってもらえなくなる奥様が続出するとか(気絶)。
ダンナもそんな事態にはならないように、どうぞ、家庭と趣味とのバランスはほどほどに。
“
シャウトするのがエクスタシー
のれば朝まで 帰らない
もしも誰かに聞かれたら
夫はとうに亡くなりました
いい人でした
かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ かっこ
かっこつけて泣きたいわ”
「ロックンロール・ウィドウ」
歌:山口百恵. 作詞:阿木耀子. 作曲:宇崎竜童
参照:『Uta-Net』
お客様、選曲はお口に合いましたでしょうか?
またのご来店、心よりお待ち申し上げております。
純喫茶 ぺぺ
Photos:Yuta Takamatsu, Shuhei Kato
Text:RIKAPEPE(ペペ)
Illustration:Eri Sakai