「秘めごと」は夫婦関係の良いスパイスになる
★★★
ようこそ お越しくださいました
ここは繁華街にひっそりと佇む
『純喫茶ぺぺ』
昭和レトロでどこか懐かしさを感じる
恋に迷える大人達のユートピア
ここは純喫茶の雰囲気を大切にしており
一風変わった店主が
お客様をイメージした珈琲カップの代わりに
お悩みにぴったりの「恋のナンバー」を
硬派にお出ししております
刺さりすぎて気絶なさらないよう
お気をつけくださいませ
どうぞ 最後までおくつろぎの上
ゆるりとおたのしみください
純喫茶 ぺぺ
★★★
本日のお客様は、
ぺぺさんにご相談です。
僕は何でも正直に妻に伝えてしまうため、相手を傷つけてしまうことがあります。過去の自分の過ちや、元カノの話まで。何でも共有して、本当の自分を知ってもらって、全部受け止めて欲しい。
だけど、全て裏目に出てしまい、いつも妻を怒らせてしまいます。僕の考えは間違っているのでしょうか。
──夜な夜な徘徊プリン 派遣社員 (25)
夜な夜な徘徊プリン様、ご来店ありがとうございます。
今回は、だれもが若かりし頃、一度は通ったことがありそうなご相談をいただきました。
うっかり彼氏彼女に過去の恋愛話や失敗談を話して、関係が気まずくなった経験はありませんか?
愛というのは、「相手のありのままを受け入れ慈しむこと」といわれますが、一つ注意点がありますのでご紹介します。
【愛の押し売りは危険】

誰かを愛することは自由ですが、「こんな私でも愛して欲しい!」と愛の押し売りをするのは、大変危険です。
こんなに駄目な自分だけど、それでも愛してくれるの?という駆け引きは、今すぐお止めください。
何故かというと、パートナーというのは、貴方の懺悔室(ざんげしつ)ではないからです(逆気絶)。

自分の過去の過ちを他人に受け止めて貰おうという考えは、自分だけスッキリして相手に気を遣わせるだけ。
それは、愛ではありません。まずはご自身で、きちんと自己を受け止める訓練が必要なのです。
【夫婦とは「選手」と「セコンド」】
夫婦やパートナーというのは、選手とセコンドみたいな関係だなと思うことがあります。
セコンドは、大事なパートナーを人生という試合で勝たせる為に、言葉で導きます。
その中で重要なのは、「今言うべき内容」を瞬時に判断して伝えることだと思います。
よく失敗してしまうのが、今、相手に言わなくていい情報を、うっかり口走ってしまうこと。

まずはパートナーが置かれている現状をよく見て、今話すか話さないのか、自問自答してみてください。
死ぬまで我慢できる違和感なら、黙っておくのもいいですし、死ぬまで我慢できない違和感なら、冷静に話しておくほうがいいと思うのです。
思い遣りを持って、自分の内で止めておいた方がいい情報というのは、意外と多いと思います。
【「秘めごと」のすすめ】

また、「秘めごと」というのは、男女関係でも役立つことが多いです。
少しばかりの秘密を持つことで、相手に探究心を与え続けるのです。
夫婦でも恋人であっても、何もかも明け透けに話すと、中身が分かって興醒めしてしまうことはありませんか。
昔の俳優さんは、裏舞台を見せないから神秘性があったというのは有名な話です。底が見えそうで見えないことが、人々を惹きつけ、幻想を掻き立てたのです。

今はYoutuberという職業もあって、表も裏も商売にする人が多いけれど。もっと言えば、裏というのも表風の演出でしょうけれど(逆気絶)。
世の為、人の為にお役に立てるのであれば、それはそれで面白いですよね。
是非、色んな場面で上手に秘めごとをお使いになってください。
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【答え】
人間関係において
上手に「秘めごと」をお使いください
きっと夫婦関係のスパイスになりますよ
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今回ご紹介するナンバーは、〈演歌の星を背負った宿命の少女〉というキャッチコピーでデビューた藤圭子さんが、カバーアルバム『ゴールデン☆ベスト 藤圭子ヒット&カバーコレクション 艶歌と縁歌』の中で歌った楽曲。
1968年にロス・インディオスが発表した「知りすぎたのね」です。マニアックで御免なさい(気絶)
宇多田ヒカルさんのお母様としても有名ですが、彼女の天性のハスキーヴォイスと女の情念を込めた歌声は必聴です。
この中でも、「秘めごと」の重要性について語られています。
“
知りすぎたのね あまりに私を
知りすぎたのね 私のすべて
恋は終わりね 秘密がないから
話す言葉も うつろにひびく
嫌われたくなくて 嫌われたくなくて
みんなあなたに あげたバカな私
捨てられたのね 私はあなたに”
「知りすぎたのね」
歌:藤圭子(元曲 ロス・インディオス). 作詞・作曲:なかにし礼
参照:『Uta-Net』
お客様、選曲はお口に合いましたでしょうか?
またのご来店、心よりお待ち申し上げております。
純喫茶 ぺぺ
Photos:Yuta Takamatsu, Shuhei Kato
Text:RIKAPEPE(ペペ)
Illustration:Eri Sakai