CAR ― 得するクルマ生活

【長期保管のコツ】3ヵ月以上、車を動かさないとどうなる?

2021.2.16 2021.2.16
2021.2.16
安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

コロナ禍でステイホームが求められる昨今、外出もめっきり減り、買い物もネットばかりで、「そういえば全然クルマを動かしてない……」という方もいらっしゃるかと思います。

また趣味で所有しているクルマは、使用する頻度も少ないのではないでしょうか。「でも、使わなければ消耗しないから、別に大丈夫だよね!?」と思っていませんか??

クルマは動かしても、動かさなくて、徐々に劣化していきます。クルマを長期間使わなかった場合、どんな不具合が起きるのでしょうか。

 

■クルマは動かさなくても劣化がすすむ

クルマを動かすと劣化する箇所はわかりやすいかと思います。真っ先に思い浮かべるのは、やはりタイヤでしょう。タイヤは、走行するほどにトレッド表面が摩耗していきます。

暑い夏には、太陽に熱せられた灼熱の路面を走らなければなりませんし、雨の日にはウェット路面、冬には雪道や融雪剤が撒かれた道を走ることもあります。このように、温度や状況の差が激しい路面を走ることで、タイヤのゴム成分が徐々に酸化し、赤茶けたような色合いになって乾燥していきます。

では、動かさない状態で劣化していく箇所は、どこなのでしょうか。真っ先に思い浮かぶのはバッテリーでしょう。久しぶりにクルマに乗り込んで、エンジンをかけようと思っても、かからない可能性があります。クルマを長期間放置することで、バッテリーが自己放電してしまっており、エンジンを始動させることができなくなっているからです。

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クルマを動かさない状態で起きるトラブルといえば、真っ先に思い浮かぶのはバッテリー上がり

また、エンジンをかけない状態で放置すると、オイル類が、下方向に流れ落ちてしまいます。特に、エンジンのオイルはエンジン内を循環しながら熱を吸収し汚れを吸着させる、という役割を担っています。このオイルが十分にエンジンにいき渡っていないと、燃費悪化やパワー不足の原因となるばかりでなく、最悪の場合、エンジンの焼き付きを起こす可能性もあります。

エンジンオイルに関しては、「定期的にアイドリングしていればいいのでは!?」と思われがちですが、クルマに使われているオイルは、トランスミッションやデフなど、走らせないとオイルがいきわたらないものもあり、アイドリングだけでは十分とはいえません。

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長期間動かさないことで、タイヤの空気が徐々に抜けていく それによってフラットスポットの原因にもなる

ほかにも、長期間動かさないことで、タイヤの空気が徐々に抜けていきます。空気が抜けてしまうと、接地していた一点が凹んで「フラットスポット」ができてしまい、走行時に不快な振動が発生する原因になります。ちなみに空気圧は、クルマを動かしていなくとも、一ヶ月で5%程度(200kpaならば190kpa程度に低下)は抜けていきます。

 

■できれば一週間に一度は動かしたい

一週間に一度は、30分程度走らせて各所のオイルを行き渡らせ、さらに、月に一度、タイヤ空気圧のチェックをすることができれば、問題はないでしょう。

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半年放置すると、致命的に問題となってくるのが、クルマに残っている「燃料」だ

しかし、昨今のクルマは耐久性に優れており、クルマ自体は半年程度放置しても、問題ないかもしれません。しかし半年放置すると、致命的に問題となってくるのが、クルマに残っている「燃料」です。

 

■ガソリンも劣化する

「ガソリンは腐る」ということを聞いたことがあるかと思います。ガソリンなどの燃料については、「腐る」という表現より、「劣化」の方が適正ですので、本稿では「劣化」に統一し、また燃料は一般的なガソリンに限定して話を進めます。

ガソリンは、炭素と水素の化合物である、「炭化水素混合物」です。すなわち、様々な性状(揮発性、粘度、引火点など)を持つ成分の集合体です。

長期間、ガソリンを放置すると、ガソリンに含まれるアルケンが、空気中の酸素によって酸化し、蟻酸や酢酸に変化します。一般的なガソリンは、オレンジ色に着色処理されていますが、これが褐色に変色し、酸性化によって、強烈な刺激臭を発生するようになります。

また、時間が経つほどに、ガソリンの中の高揮発性成分が消え、揮発しにくい高粘度成分だけが残留してしまい、ドロドロした状態となります。

ガソリン劣化の進行具合は、温度や湿度、空気への晒され具合によって、大きく左右されます。高温で、常時空気に晒されるような劣悪条件では3ヶ月程度、密閉された燃料タンクであれば、1年くらい経つと劣化が始まり、変色と刺激臭がするようになります。さらに時間が経ち、2~3年も経つと、流動性の悪いドロドロ状態になります。

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半年近くクルマを動かしていないような場合には、既に、「ガソリンは悪い状態」の可能性が大 ディーラーやカーショップ、ガソリンスタンド等、専門家へ相談してほしい

ガソリンが劣化すると、①ガソリンタンクや配管部など、金属部の腐食の促進、②揮発性悪化によるエンジンの始動不良や不安定化、③流動性悪化によって、燃料配管通路や燃料フィルタ、噴射弁が詰まり、エンジンの作動不良や最悪の場合は破損、といった悪い症状が起きます。

しかしながら、燃料タンク内のガソリンの劣化具合を、私たちがチェックし判断するのは、いろんな意味で危険です。もし、半年近くクルマを動かしていないような場合には、既に、「ガソリンは悪い状態」だと思う方がよいでしょう。ただし、ガソリンは危険物ですので、自分で交換するとは考えず、ディーラーやカーショップ、ガソリンスタンド等、専門家へ相談してください。

 

■カーシェアを活用したカーライフもあり

いまはクルマを所有しなくとも、カーシェアやレンタルといったサービスが豊富にありますので、普段あまりクルマを使用しない、というかたは、こういったサービスを利用するのも手です。筆者の家の近くにも、地域企業が始めたリーフのカーシェアサービスがあり、いたるところにカーシェア用のリーフが止められています。駐車場代や保険代といったランニングコストや、ガソリン代も支払う必要がなく、メリットは大きいといえます。

マイカーが生活スタイルにあわなくなってきた、というかたは、いったんマイカーを手放すことを考えてみるのも、いいかも知れません。

Text:Kenichi Yoshikawa
Edit:Takashi Ogiyama
Photo:Getty Images,AC

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吉川賢一ポートレート吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

 

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