威風堂々。威厳を取り戻した新型マイバッハ
メルセデスから新型マイバッハの発表がありました。
現在のメルセデスは、『Mercedes-Benz』を中心に、スポーツモデルを『Mercedes-AMG』、超絶高級車を『Mercedes-Maybach』とし3つのブランドを展開。AMGとは違いマイバッハは法人化されていませんが、今後ラインナップが増えるならその可能性は否定できません。
マイバッハブランドの起源は古く、
時は1800年代後半、
二人三脚の歩みは、やがてヴィルヘルム・マイバッハの息子であるカールが加わったことでさらに加速していくように見えました。
しかし、マイバッハ親子はツェッペリン伯爵たっての願いからツェッペリン飛行船のエンジン開発のためダイムラーとたもとを分かつことに。
しかし、後にマイバッハ親子が設立したマイバッハ・モーター社をカールの引退後となる1966年に買収。株式の50%を取得し傘下に収めたのですから3人の関係は生涯を通じた盟友といえるのではないでしょうか。
メルセデスはさらなる高みを目指し、1997年にマイバッハブランドのコンセプトカーを発表。2002年にはSクラスの基本コンポーネントをベースにプロダクトとしてマイバッハを発売しました。
しかし、この流れはコスト高から採算が合わず、メルセデスは2012年にマイバッハブランドの一時休止を宣言。事実上、塩漬け状態となりました。
「最善か無か」といっていたメルセデスのさらに上を行こうという志は大変価値あるものでしたが、休養期間を経て復活したマイバッハは、残念ながらSクラスの上級グレードという位置付けに。
ここ数年のマイバッハブランドの動向は、EVへとシフトするサスティナブルな潮流と相まって、徐々に期待感が高まっています。しかし、メルセデスを超える可能性をもったブランドをどのように扱っていくか、大いに議論の余地を残します。さて、どうなることやら。
最後に最低限度、スペックに触れておきましょう。
マイバッハの存在感はやはりその大きなボディサイズです。数値的には間もなく上陸する新型Sクラスより大きく、ロングホイールベース版の新型Sクラスより全長で+180mmの5,469mm、ホイールベースも+180mm延長された3,216mmとなります。まさに大魚の風格。
先進的安全技術はベースとなる新型Sクラスがレベル3の性能をクリアしていますので、コチラは安心していいと思います。パワーユニットの発表はありませんが、予告として第2世代のISGを搭載し15kWのモーターアシストがあるといいます。
個人的には今回のモデルはイケると確信します。だいぶSクラスの焼き直し感が希薄な上に、なぜか運転したくなる気分にさせてくれます。
不思議なことにメーターパネルを凝視しているとC3-POに見えてきました(妄想)。続報に期待しましょう。
Text:Seiichi Norishige