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【あおり運転対策】ドラレコと併用すれば安心感高まるアノ装備

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安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

クルマを運転していると、「あおられてる!!」と感じることは、少なくない。特に高速道路では、すごいスピードで突進してきて、前走車に「どけ!」といわんばかりに車間を詰め、前走車をどかせて進んでいく、というクルマをよく見かける。これを追い越し車線のみならず、いちばん左の走行車線でやっているクルマをみると、「おまわりさんは、ああいうのを捕まえてくれ」と、心底思う。

そんな傲慢な運転をする人はもちろん例外だが、しかし日々クルマを運転していると、なかには、ルールを守らず迷惑な運転をしているドライバーもいるのも事実。そんな迷惑ドライバーに遭遇したとき、我々はどのように切り抜けるべきだろうか。

■厳罰化された「あおり運転」
これまで、あおり運転そのものを取り締まる規定はなかったが、2020年6月30日より「妨害運転罪」が創設され、違反1回で免許取り消しとなるほか、最長5年の懲役刑や罰金などの厳しい罰則が科されることとなった。

あおり運転自体は、昔からあった。交通事故の原因をまとめた法令違反別交通事故件数の推移を見ると、「車間距離保持義務違反」は、1985年に5867件、1990年が6961件、1995年に6734件、2001年に7794件と報告されている。
2002年は1万2221件、2003年が1万1740件、2004年が1万739件と、いったん増えるものの、近年は、2015年が7571件、2016年は6690件と、以前と同じくらいの件数で推移している。

「車間距離保持義務違反」という、検挙ができる交通違反だけでもこの件数だ。その他の煽り運転行為は、昔はもっと起きていたと考えられる。

少し余談となるが、近隣住民などから、「桶川(上尾)のひょっこりはん」などと呼ばれていた、迷惑男が逮捕された事件。自転車で車の前に出て蛇行運転し、対向車が来ると、センターラインをはみ出して、対向車の前にひゅっと飛び出す、という行為を繰り返していた男だが、今回の逮捕容疑は、危険な走行を目撃して注意した70代男性の胸ぐらをつかんだという暴行容疑だ。

しかし、この男は今年2月、この危険行為が道路交通法に違反したとして、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡されている。2月の時点では「妨害運転罪」はなかったのだが、今回はこの「妨害運転罪」が適用される可能性もある。

しかも、この男は執行猶予中に事件を起こしている。迷惑を被った近隣住民の方々は、厳しい処罰を待っていることだろう。

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高速道路を走る車両高速道路では、すごいスピードで突進してきて、前走車に「どけ!」といわんばかりに車間を詰め、前走車をどかせて進んでいく、というクルマをよく見かけることがある

■自分があおらないようにするためには?
この男のように、他人のクルマをあおって、その反応を見て楽しむような愉快犯でない限り、あおり運転の加害者になりたいとは、誰も考えていない。これほど連日のように、あおり運転が報道され、ドライブレコーダーがバンバンと売れるような運転社会の中で、道徳に反した運転は、即時、身を滅ぼしかねないからだ。

東名高速でクルマを停車させた事件の容疑者のように、「自己防衛のため」、「正当防衛だから」、といって反撃に転じるのは当然NG。我々が理解すべきなのは、「世の中には一定数、常識では理解できない考えをしている者がいる」ということだ。

交通の流れを妨げる運転をしているクルマや人には近づかない、一線を引いて行動する、急にあおられたり、追い抜かれたりしても無視をする、そういうことをする輩を相手にする時間がもったいない、と思えば、自らがあおり運転をする側にならずに済むのではないだろうかと思う。

ここまで読んでいただいて、「自分に限って、あおり運転なんてするはずがない! 失礼な!」と、「ピキッ」と苛立ってしまった方は、それこそが危険な兆候なのかもしれないので、注意が必要だ。

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ドライブレコーダー連日のように、あおり運転が報道され、ドライブレコーダーがバンバンと売れるような運転社会の中で、道徳に反した運転は、即時、身を滅ぼしかねない

■あおり運転対策は「ドライブレコーダー」だけじゃない
あおり運転の報道がされるたび、ドライブレコーダーの重要性が指摘される。確かに、あおり運転が問題視されるようになった背景には、ドライブレコーダーの普及があるのだが、被害に遭っているとき、真っ先にしたいことは「通報」だろう。

近年、運転者の急な体調不良や、自車の緊急事態の際に、オペレーターへ直通連絡ができる「SOSボタン」が装備された新型車が増え始めている。このスイッチは、押すだけで外部に危険を知らせることができるため、煽り運転の際にも安全に通報でき、必要と判断された場合にはオペレーターが警察へも通報してくれる。

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ホンダ車についているSOSスイッチ近年、運転者の急な体調不良や、自車の緊急事態の際に、オペレーターへ直通連絡ができる「SOSボタン」が装備された新型車が増え始めている。写真はホンダ車についているSOSスイッチ

「証拠を撮る」のも大事だが、「身を守る」という意味では、ドライブレコーダーよりも、意義のある装備だといえよう。

■まとめ
厳罰化されたあおり運転だが、感情を持つ人間が運転している限り、減ることはあっても、残念ながらゼロになることはない。あおり運転をするものは、「相手が悪い」と思っている場合が多い。そのため、ひとたびスイッチが入ってカッとなると、危険な運転に発展してしまう。

そしてそれは裏返せば、自分もしてしまう可能性もあることも意味している。危険な状況に遭遇したときに「自分は間違っていない」と思えば、いつもは絶対にやらない多少乱暴なことをやってしまう可能性はある。

「ハンドルを握ったら、とにかく冷静に」

Text:Kenichi Yoshikawa
Edit:Takashi Ogiyama
Photo:AC、HONDA

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吉川賢一の顔写真吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

 



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