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【新型日産フェアレディZ】GT-Rと比べてどうなのか? 本当のライバルは過去のモデル!?

2020.10.27 2020.10.27
2020.10.27
安全装備や自動運転でますます高額化している現代のクルマ。上手に購入する方法は? さらに、所有してからも様々なトラブルやアクシデントが起きるのがカーライフ。それら障害を難なくこなし、より楽しくお得にクルマと付き合う方法を自動車ジャーナリスト吉川賢一がお伝えします。

先日、新型のプロトタイプが発表され、いま大注目の「フェアレディZ」。言わずと知れた、日産を代表するスポーツカーですが、日産のスポーツモデルといえば、もう一台、「GT-R」があります。

どちらも日産を、日本を代表するスポーツカーであることに変わりはありませんが、その成り立ちは全く異なります。今回は、フェアレディZとはどんなクルマか、についてご紹介するとともに、GT-Rとの違い、そして、フェアレディZの今後について、触れていこうと思います。

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新型フェアレディZプロトタイプの外観伝統的なFR車のボディラインで、力強さとセクシーさを併せ持つ新型フェアレディZプロトタイプ。ほぼこのままのデザインで発売される予定だという

■Zは庶民のためのスポーツカー
Zの誕生は、日本が高度成長期の真っ只中であった1969年、きっかけは北米市場でした。当時の若者たちは皆、スポーツカーにあこがれを抱いてはいましたが、ポルシェやジャガーといったヨーロッパのスポーツモデルは価格が高く、手に入れることは非常に困難でした。そこで、北米市場の顧客の要望に応えるため、北米日産が企画したのが「Z」の出自です。

「3万ドル以下で誰でも買えるスポーツカーを作ろう」という意気込みでつくられた初代フェアレディZ(S30型)は、その言葉通り、スポーツカーとしてはあり得ないほど廉価であったことが支持され、北米を中心に大ヒットします。

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歴代フェアレディZの集合写真みなとみらいにある日産パビリオンにて、期間限定で歴代Zが勢ぞろいした

その後、5代目となる現行Z34に至るまで、日産はこの「3万ドル以下」の縛りを極力、続けています。現に、日産USのホームページでは、ベース車両の価格は30,090ドルと書かれています(※日本向けには、商品力アップのためのアイテムを搭載した中級グレード以上を販売しているため398万円~となっています)。

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現行型のフェアレディZ外観すでに登場から12年が経つロングライフなスポーツカーとなった現行型Z34。令和時代に、3.7リッターV6自然吸気エンジンとマニュアルトランスミッションのスポーツカーが新車購入できるのは奇跡といえる

■強烈なインパクトを与えた、初代Z
1970年代生まれの筆者にとって、最もインパクトがあるのは初代Z(S30型)です。ロングノーズかつショートデッキのスタイリッシュなボディ、逆スラントノーズのフロント周り、直列6気筒エンジン、フロントミッドシップのパッケージングなど、ヨーロッパのスポーツカーの良いところを寄せ集めた、ともいえますが、スポーツカーといえば、まずこのクルマを思い浮かべるほどでした。

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初代Zの真横のプロポーション手前のオレンジのクルマがS30型(初代Z)。サイドビューから、ドライバーのアイポイントがリアタイヤのすぐ手前に来ているパッケージングや、車両先端までが非常に長いなど、ロングノーズの様子がよく分かる

ちなみに筆者は、一度だけ、S30のステアリングを握ったことがあります。あまりにステアリングが重く、据え切りができずに一人で笑ってしまったことを覚えています。あのクルマを颯爽と走らせるには、それなりの腕力と訓練が必要であり、そうそう簡単には操縦できない、ドライバーが試されているような感覚を受け、「これこそがスポーツカーなのか!」と、感動したのを覚えています。

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初代フェアレディZの車内S30の車内

初代Z誕生から約50周年を迎えたZは、時代ごとにその姿や中身を進化させながら、生産が続けられてきました。6代目となる現行型Z34は、初代Zとは比べ物にならないほどに、運転がしやすいクルマになりましたが、ステアリングを握った瞬間の、「独特の張りつめたような空気感」は、未だに受け継がれているように感じます。

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フェアレディZ30の走行シーン次期型フェアレディZのプロモーションビデオの中で、テストコース上を快走する初期型Z。日産には、いまも動ける初期型Zが現存する

■ZとGT-Rは「似て非なるもの」
フェアレディZとともに、日産の代表的なスポーツモデル「GT-R」も1969年生まれです。奇しくも同い年であるZとGT-Rですが、その育ちは全く違います。

GT-Rは、レースシーンでの勝利を目指し、「純粋な速さ」を求めたクルマです。GT-Rは、「日産の技術力の高さ」を伝える「イメージリーダー」としての役割を担っており、国内のレースを中心に勝利を重ねてきました。現行型となるR35型「GT-R」は、世界の名だたる強豪と肩を並べる、日産のスーパースポーツカーとして認知され続けています。

一方のZは、前述したように、コストへの制約が非常に厳しいクルマです。「速さ」のために新技術をつぎ込めるGT-Rとは違い、Zは「頑張れば手の届くスポーツモデル」でなくてはなりません。そのためには、限られた予算の中、最大限の性能をもつクルマをつくる必要があります。開発チームも、R35 GT-Rの開発は、日産のなかでも、特に選ばれたエンジニアが抜擢される特別編成チームであったのに対し、Z34は、他のFR車を開発するライン設計によって開発されています。

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日産GT-R35の外観R35型 日産GT-R(2020モデル)。R35の初期型がデビューしたのは2007年のこと。スーパーGTのベース車として未だに活躍している一台だ

■新生Zのライバルは「過去のZたち」だ!!
日産は、e-POWERやハイブリッド、EVといった電動車の比率を、順次上げていく宣言をしています。次期型ノートやエクストレイルのような量販車には、必然的に電動モデルが用意されるでしょう。が、筆者は、少なくとも現時点ではZの電動化はない、と考えています。その最大の理由はやはり「コスト」です。

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次期フェアレディZの車内次期フェアレディZの車内

誰しもがちょっと頑張れば所有できるクルマ、「3万ドルで手に入るスポーツカー」という独自のルールは、時代が変わっても実現すべきだと考えます。これほどキャッチーなキーワードは、世界的に見てもありません。

日本向けの次期型Zは、もうちょっと価格が高くなるかもしれませんが(400万円くらいになると予測)、国産ライバルのスープラも、今や約500万円(2.0リッター直4ターボ‟SZ”の価格、3.0リッター直6ターボ‟RZ”は約731万円)ですから、なおさらこのコンセプトは活きてきます。

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新型トヨタ・スープラの走行シーン新型Zのライバルとなるトヨタ・スープラ(A90)は、2.0リッター直4ターボ‟SZ”が約499万円、3.0リッター直6ターボ‟RZ”は約731万円となる

2021年にも発売されるという 「次期型フェアレディZ」。ハンドルを握るのが、今から楽しみです。

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次期フェアレディZのリアスタイルロングノーズ・ショートデッキを現代の感覚でデザインした次期フェアレディZ

Text:Kenichi Yoshikawa
Edit:Takashi Ogiyama

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吉川賢一(自動車ジャーナリスト)1979年生まれ。元自動車メーカーの開発エンジニアの経歴を持つ。カーライフの楽しさを広げる発信を心掛けています。

 

 

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