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FASHION 僕が捨てなかった服

【ファッションエディター 山下英介氏登場!】いま持っている最古の服は、ボロボロでも捨てられず。

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

吉田栄作、加勢大周の爽やかさにコンプレックスを抱きながら、その裏返しで憧れも。

『MEN’S Precious』を中心に、数々のカタログなども手掛け、ファッションエディターとして活躍する山下英介さん。

膨大な数を所有してきた山下さんが、なかでも捨てられなかった服をご紹介する企画の第1回目は、「BVD」の肌着、ヘンリーネックです。

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これは、僕が持っている中で最も古い洋服なんですけど、僕が自身で購入したモノではなくて、14歳のときに母親が買ってきてくれたものなんです。

90年代初頭って、吉田栄作、加勢大周の時代だったじゃないですか? 今考えると、乳首も透けるしなんとも無防備な格好に思えますけど、吉田栄作はヘインズの真っ白なTシャツ1枚にジーンズ、加勢大周はヘンリーネック1枚を颯爽と着こなしていたんです。

僕は運動神経も良くなく、爽やかなキャラクターでもなかったので、そういう方々にコンプレックスを抱きながらも、その裏返しで憧れもあって、こっそりとこの辺のアイテムを着ていたのを覚えています。

その後なんとなく着なくなって仕舞っていたんですが、2000年くらいに、現N.ハリの尾花さんや当時 go-getter(ゴーゲッター)のスタッフの方々が、サーマルなんかにリーバイス®の646やインチアップしたデニム、側章付きのスラックスにバンズを合わせていたのを見て、再びこれを復活させ、初めてファッションとして取り入れました。

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だいぶ着ていたので、ほつれたりボロボロになっていたんですが、尾花さんのグランジっぽい着こなしがカッコ良かったので、あの感じを真似て着ていたという思い出があります。

それから20年近く着ておらず…、サイズ的にももう着られないんですが、ボロボロな感じがなんとも愛しく、なんとなく捨てられないでいて取ってありますね。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka

山下英介
ファッションエディター
大学卒業後いくつかの出版社勤務を経て、2008年からフリーのファッションエディターとして活動。ファッションディレクターとして参画している『MEN’S Precious』を中心に、数々のカタログなども手掛ける。背景にクラシックな文化を感じさせるものに興味を持ち、まだ知られていない世界の名品やファッション文化を伝えるべく日々精進中。1976年埼玉県生まれ。


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