FASHION 干場の「エロサバ」

90年代に溺愛したお宝をオークションでゲット! したものの…

時には、足元からコーディネイトを考えてみる

僕のファッション観に大きな影響を与えた90年代のミニマルスタイルは、余計な装飾を極限まで削ぎ落としたバランスのうえに成り立っていました。その研ぎ澄まされた美意識や、少年のような儚さ、ナイーヴなまでの危うさにシビれまくり、未だその魅力から離れられないでいるわけですが、暇だとついつい見ちゃうんですよね、オークションサイト……。

で、ついに当時、溺愛していたプラダのシューズを発見してしまったんです!

Yahoo! 配信用パラグラフ分割

アイテム

Tシャツ/クロスクローゼット
パンツ/ジェルマーノ
メガネ/モスコット
首から提げたキーホルダー/エルメス
バックパック/プラダ
時計/ブライトリング
靴/プラダ

前回は、装飾よりも素材やシルエットの美しさでメンズモードの新たな扉を開けた90年代スタイルにフォーカスして、逆にそこに足し算をしたらどうなるのかを検証しました。で、ビミョーな結果に終わったわけですが(苦笑)、その反省を踏まえ、もう一度、当時のランウェイ画像やキャンペーンビジュアルを見てみることにしました。

「うんうん、そうだよね、そのバランスだよね、やっぱり……」と、インターネットを見ながら思い返すことしきり。そうしている間に、オークションサイトに飛んでいき、しみじみ懐かしんでいると、そこには90年代当時のアイテムがいろいろ出品されているじゃないですか!!

そうなると、もう止まりません。お目当ては、もちろんプラダのシューズです。そして、探しまくること丸1日。ついにその姿を確認! ポチっ。

自分の衝動を抑えることができませんでした。あれを今、履いてみるとどうなるんだろう? 発表当初、衝撃的だったのは、そのシューズが人間工学に基づいたエルゴノミックデザインだったこと。

丸みのあるスクエアトウに、分厚いラバーソール、アッパーは ぽってりしたシルエットにゴン太のベルクロテープと、愛嬌のあるルックスでしたが、それは下手したら まるでオッサンが履いているギョーザ靴……。逆説的に、これがカッコいいと提示するなんて、プラダってやっぱり天才(!)と 頭を揺さぶられた記憶があります。

時は2020年となりましたが、少し前にユース世代の間でオッサン臭いスニーカーを「ダッドスニーカー」と呼んだりして、ちょっとブームになったじゃないですか。ダサいのが逆にカッコいい、みたいな。

何が言いたかったかというと、つまり本質的な部分は あんまり変わっていないのかなと……。だとしたら、このオッサン臭いベルクロシューズの出番は、今しかないですよね!

そんなわけで、このコーディネイトは足元から考えてみたサンプルです。ボリュームのある靴に くるぶし丈のパンツというのは、僕のなかで90年代から続く黄金律。実はパンツの裾はアイロンで焦がしてしまい、思っていた以上に短くなってしまったんですが、それも不幸中の幸いというか、逆にいい雰囲気が出ましたね。丸型のモスコットのメガネや、プラダのナイロン製バックパックもナイスなアシストをしています。

でも、そのまんまだと懐古主義になってしまうので、今の気分をほんの少しだけ。黒Tシャツをオーバーサイズシルエットにして、全体のバランスをちょっと変えてみました。

自分でいうのもなんですが、今回はかなり自信があります! 色使いをストイックにモノトーンで抑えたのも成功の秘訣。やっぱり、盛りすぎはあきまへんな(苦笑)。

ただ、これには後日談がありまして、このコーディネイトは最高に気に入ったんですが、オークションで競り落とした靴のサイズが小さすぎ。撮影中は足の指をグッと曲げてこらえましたが、結局は履かずじまいになってしまいました。

でも、いいんです。そんな僕の気持ちを代弁して、今日も金言で終わりにしたいと思います。

He who is not courageous enough to take risks will accomplish nothing in life.

(リスクをとる勇気がない者は、人生で何も達成しない。)


モハメド・アリ


今回のスタイルのキモは……。

●時には、足元からコーディネイトを考えてみる。
●ボリュームのある靴とくるぶし丈のパンツの相性は鉄板。
●オーバーサイズのTシャツで今の気分をほんの少しだけ。
●エロは封印中、サバはモノトーンの色使い!?
●自粛生活は、無理せず、油断せず、続けることが大切。


Photo: Ikuo Kubota (OWL)

Styling&Model:Yoshimasa Hoshiba


 

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「お洒落の本質」
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【エロサバ】-Hoshipedia

「エロサバ」とは、エロいコンサバの略で、干場の哲学により生まれた造語。シンプルでベーシック、コンサバティブな洋服を着ているのに、なぜかエロく見えるスタイルのこと。例えば喪服の女性。成熟した大人の女性が喪服を着ていて、メイクもナチュラルで抑制しているのに、不思議と色っぽく見えるスタイル。例えば、普通の白いシャツを着ているのにも関わらず、胸元のボタンの開け方や袖口のまくり方でSEXYに見えるスタイル。粗悪な素材でデザインが変わっているシャツでは駄目。上質な素材でベーシックなシャツだからこそ、崩して着こなしても上品さが保てるのです。男性で例えるなら、仕立てられたグレーの無地のスーツを着て、上質な白シャツに黒の無地のネクタイのような極めてコンサバティブなスタイルをしているのに、内側から大人の色気が香るスタイルのこと。



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