FORZA STYLEの読者の皆様、こんにちは! 本誌でもお馴染みの「ドクトル赤峰」こと赤峰幸生先生(別称ユキちゃん)のもとで勉強をさせてもらっています、渡邉耕希(わたなべ・こうき)と申します。
前回はクルーズの概要、豪華過ぎるとも言えるクイーン・エリザベスの船内施設を一通りご紹介しましたが、第2回となる今回は私の船内や寄港地での過ごし方に焦点を当てたいと思います。
一日の始まり。イングリッシュブレクファストでエネルギーをチャージ
船内での一日の始まりは早く、活気のあるものでした。ゆっくり朝食をとる方やジョギングしたり、ゲームデッキでパドルテニスに興じたりして身体を動かす方などなど。
私は昨晩頼んでおいたルーム・サービスのイングリッシュブレクファストをお出迎え。
温かいベイクドビーンズのほのかに酸味のある香りが食欲をそそります。
バックベーコン(豚ロースを使ったイギリスならではのベーコン)から溢れ出る旨味写真には写っていませんがブラックプディング(豚の血を使ったソーセージ)のスパイシーな味わいが堪りません。先ほどバターを塗った食パンにベイクドビーンズを落とせばビーンズ・オン・トーストの出来上がり。私もお気に入りの食べ方です。
口の中が忙しくなってくると、ここでまたイングリッシュ・ティーを一口。紅茶とはなんと懐の深い飲み物であろうと感心せずにはいられません。
”To eat well in England you should have breakfast three times a day.”(イギリスにおいて満足のゆく食事を欲するならば朝食を1日に3回とることだ)と、かのサマセット・モームは言いました。
大満足な朝食の後は船内でも特に私のお気に入りの場所であるライブラリーへ。
2階建てとなっていてデッキ2から螺旋階段を通じてデッキ3へ上がれるようになっています。クイーン・エリザベスは約8000冊の図書を積んでおり、借りて部屋へ持ち帰ることも、ライブラリー内で自由に楽しむことも出来ます。
いつもなら旅には必ず何冊かの本を連れていく私も、乗船前にライブラリーの噂を聞いており、今回は1冊のみに。8000冊もあるとなかなか目当ての本を見つけるのにも骨が折れるものですが、常駐しているライブラリアンがとても頼りになります。いわゆる純文学の名作から最新の雑誌まで、ジャンルは様々で、今回は日本の方も多かったため、日本の小説なども多く用意されていました。
ディケンズやオースティンの本を手に取りしばし活字の世界へ。船内で木の温もりを最も感じられる場所で、各々がページをめくる音、穏やかな波の揺れを感じながら過ごしていると、あたかも自分が船と同化していくような感覚を覚えます。
ゆったりとした朝を楽しんだ後は船内の撮影に繰り出します。幸運なことに、ブリタニア・クラブやブリタニア(スタンダードクラス)の乗客は利用することのできないクイーンズ・グリル、プリンセス・グリルの乗客専用のレストランを見せてもらえることに!
利用者が景色を最大限楽しめるよう大きく取ったパノラマウィンドウ、美しいアール・デコ調の内装が最上級の雰囲気を醸し出しています。一体ここではどのようなダイニング・エクスペリエンスが堪能できるのでしょうか。
クイーンズ・グリルと同じデッキに位置するプリンセス・グリルのダイニングは、テーブルなどのレイアウトは前者を踏襲しつつも什器や内装などに変更を加え、ここだけの特別感を出しています。
船内のすべてのレストラン出入口にはアルコールの消毒液入りボトルが用意されていて、衛生管理にも余念がありませんが、グリル・クラスのレストランではこんな光景が。スタッフが手作りしたというこの衣装。こちらはディナー用、ブレクファストとランチ時にはツイードジャケットを羽織ったボトルが登場するそうです。消毒液もドレスコードは遵守なのですね! 英国らしいウィットを感じます。
撮影の合間を縫ってデッキ9のガーデン・ラウンジで休憩を。こちらは私も足繁く通ったロンドンにある王立植物園キューガーデンの温室をイメージした造りになっていて、ガラス張りの屋根から自然光を取り入れ、テレビでスポーツ観戦や、バーカウンターで飲み物を注文することも可能です。その場で絞ってくれるフレッシュジュースがこのラウンジのおすすめ。
夜になるとバンドの演奏が始まります。海風に当たることなく夜空の下、音楽と美酒に酔いしれることのできる魅力的な場所です。
ガーデン・ラウンジの外にはパビリオン・プールが。誰でも自由に利用できるようになっており、10月にも関わらず泳がれる方は割と多く見かけました。温水なので案外寒くないのだそう。プールの隣はジャグジーも併設され、家族や友人たちで楽しむ方達でかなり人気のようでした。リド・レストランを船尾側へ抜けていくともう1つのプール、リド・プールにつきあたります。船尾にあたるので遮るものがなく、海の景色を存分に味わえます。