CAR ― Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

妄想は続くよ、どこまでも!

BMWの象徴フロントに光る「キドニーグリル」、変遷を辿る

2019.9.18 2019.9.18
2019.9.18
説明しよう!妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

キドニーグリルに見るBMWの歴史と未来への期待

ここ数週の自動車業界のニュースはフランクフルトモーターショーが発信源。欧州ではやはりドイツ勢が強く、ブランド数、販売台数もNo.1の実力。アウディやBMW、メルセデス・ベンツ(ダイムラー)といったプレミアム御三家、そして、世界規模のボリュームではVWがトップを競います。

注目の視点は様々でしょうが、個人的にも気になるのがBMWデザインの象徴、キドニーグリル(Kidney Grille)の大型化です。現行型でもっとも大きなキドニーグリルを採用するのはラグジュアリーサルーンの7シリーズと大型SUV(SAV)のX7。見れば確かに威厳もあるし存在感もピカイチ。しかし、パッと見てカッコいいと思えないファンが続出。大変心を痛めております。

しかし、今回のフランクフルトでは、そんなネガティブなファン心理は一掃されたかも知れません。起死回生の特大ホームランを放ったのは「BMW Concept 4」。ニュース発信のタイミングも影響するでしょうが、おしなべてPV数上位にランキング。動画系も再生数がこれまでとは段違い。

BMW Concept 4
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BMW Concept 4
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「BMW Concept 4」はその名のとおり現段階ではコンセプトを示したものですが、実際のプロダクトは次世代4シリーズ、そして、4シリーズ・グランクーペに受け継がれる模様。で、ご尊顔を拝見すれば、もはやキドニーらしさを象るのは輪郭程度。しかし、エンブレム周りの造形は立体的であり、左右を隔てる効果を発揮。しっかりとキドニーらしさをアピールします。ワタシの感覚ではキタコレレベルのカッコよさ。さて、皆さんのご感想はいかがでしょうか?

キドニーグリルの歴史を紐解けば、BMW初の自社開発オリジナルモデルである1933年の「BMW 303」に行き着きます。また、後にBMWの代名詞となる直列6気筒エンジンも搭載されていますので、社史においても歴史的モデル。で、この時代のクルマなので、キドニーグリルも大きく縦長です。

BMW 328 Mille Miglia Touring Coupé
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BMWの名声を世界レベルに高めたモデルは、「BMW328(1936年デビュー)」をベースにカロッツェリア・トゥーリングがレースカーを作製した「BMW 328 Mille Miglia Touring Coupé」です。このマシン、1940年のミッレ・ミリアで優勝。このキドニーグリルも大型で縦長の形状。

キドニーグリルのデザインがモダンに変わったのは第二次世界大戦後です。この時期、BMWは新たな時代を切り開こうと“ノイエ・クラッセ”という社内呼称のもと、新型車の開発に乗り出します。そして誕生したのが「BMW1500」であり、後の2シリーズ、3シリーズへと受け継がれ、戦後生まれのキドニーグリルが完成するのです。

余談ですが、イチバン小さなキドニーグリルは市販車なら「BMW M1」、レースカーに至ってはF1で名高いウィリアムズとコラボしたル・マン用レースカー「BMW・V12 LMR」でしょうか。コレは無論ダミーですが、1999年のル・マン24時間レースで総合優勝を果たしています。

キドニーグリルはまさにBMWのアイデンティティ。ですが、じつはキドニーグリルのないプロダクトもかつて存在しました。1959年に誕生した「BMW 700」です。このモデル、バイク用エンジンを後部に搭載していたため、フロントから冷却用の空気を取り入れる必要がありません。ちなみに、デザイナーはジョバンニ・ミケロッティ。

さて、キドニーグリルは一体誰が考案したのでしょうか? その答えはワタシもまだたどり着いていないのですが、「BMW 303」の6気筒エンジン開発にはFritz Fiedlerが関わっていますので、ひょっとしたら彼のアイディアだったかも知れません。しかし、チーフエンジニアに就任したのは後のことなので、もう少し調べる時間を頂戴したいと思います。

昨今のキドニーグリルの進化はまだまだ過渡期。クルマ談義は尽きませんが今回はココまでとしましょう。現段階でいえることは、“BMWは期待を裏切らない”ということ。彼らが掲げる自動運転時代のコンセプト「EASE your Life – BOOST your Moment」を信じてニューモデルの誕生を待ちたいものです。

Text:Seiichi Norishige

BMW
0120-269-437(BMWカスタマー・インタラクション・センター)

■The BMW Concept 4.

 

Author profile

教重 誠一
教重 誠一
Seiichi Norishige

自動車雑誌の編集者を経てモータージャーナリストへ。駆け出しの頃からサラリーマンの限界に挑戦し数々の輸入車を乗りまわす。印象深かった愛車はポルシェ911(930)、Ruf CRo
コンバージョン(964)、メルセデス・ベンツ500E、フェラーリ412、BMW6シリーズ、RG500Γ(バイク)。趣味はシガーとパイプとすし屋巡り。ジャンルを問わず酒好きだが、一定以上飲むと睡魔が襲い銘柄を失念する。1964年、北海道生まれ。

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