前回の記事で、谷まりあちゃんの理想が明らかになったところで、「ではどうすれば?」ということになると思う。
ここで注意をしておきたい。
僕たちはこの手の恋愛コラム(そういえばメンズ美容の連載だった笑)を読むと、どうしても「谷まりあちゃんにお近づきになるためにこう誘え」的なテクニックを求めがちだ。
しかし、それは近道なようでいて遠回りである。
なぜなら、オトすテクニックに一生懸命になるより、惚れられる要素を身につける努力をするほうが、はるかにコスパがいいからだ。当然だが、あなたが己のレベルをアップさせれば、谷まりあちゃんが叶わなかったとしても、谷まりあちゃん的な女性に振り向いてもらえる可能性が出てくるからだ。
では、谷まりあちゃん的な人に惚れてもらうにはどんな男性を目指せばいいのか。
取材の日のエピソードに“答え”があったので紹介しよう。
この日の取材。
僕は話が行き詰まったときの小道具として、けん玉を持ってきていた(僕はけん玉初段である)。それを見た谷まりあちゃんは、こう言ったのだ。
谷まりあさん「年上の男性って、話しかけるのに緊張してしまうから、こういうけん玉とか、無邪気っぽいことをあえて自分からしてもらえると嬉しいです!」
そう聞くやいなや、秒で得意の剣先すべりを披露しようとしたその時だ。
谷まりあさん「でも、だからっていつも無邪気がいいわけではなくて、やっぱり憧れていたいから普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います」
ノックアウトー!
まさか、こんなひっかけ問題がくるとは……。
しかし、これは金言なので、みんなで10回復唱しよう。
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
普段は〝ちゃんとしている“人が素敵だと思います
「少年っぽい人が好き」に甘えてはいけない
まりあちゃんの金言は、頭に刻み込めただろうか?
ここで少しだけ解説をさせていただく。
僕たちは「無邪気」だとか、よく女性が言う「少年っぽい人が好き」という言葉についつい甘えてしまいがちだ。なぜなら、それらの言葉は自分の子供っぽさだったり、だらしなさを受け入れてもらえている気がするし、なにより大人っぽくするとか、ちゃんとするってのは十分大人な僕たちだけど、とっても面倒くさいし。
かくいう私も、無邪気な人が好き発言に舞い上がり、ひとりよがりな剣先すべりを披露する寸前であった。
しかしけっして忘れてはならない。
無邪気さは「普段ちゃんとしている」がゆえに生まれるギャップがあってこそ響くのであり、ただ無邪気なだけのおじさんは、たいていの場合「ダメな男」に分類される。
ずーっとゲームをしているおじさんも、帽子をななめにかぶりつけているおじさんも、子供のように眠ってばかりのおじさんも、それだけではただの「大人になれていないおじさん」である。
少年っぽさを持っているおじさんと、大人になれなかったおじさんは大きく違う。
なので、少年っぽさを武器にするには、ベースは「ちゃんとしている」ことが肝心なのだ。
わかる。
ちゃんとしなきゃいけないなんて面倒だ。
たしかにちと面倒ではあるが、実はいいことも多いのでここはともに頑張ろう!
以下の貴重なデータを見てほしい。
https://www.instagram.com/p/kzXUMcyzL-/
これはある日、僕が目黒の名店、とんきでとんかつを食べているときに気づいた天啓についての投稿なのだが、女性からいいねを5つもいただいた。
この投稿が示すように、男はある一定の年齢を超えてくると、「ちゃんとしている」ということが「格好がいい」ことより、よっぽどかっこいいことになるのだ。
ということは、だ。
若い時は「かっこいい」とは、容姿が良いとか、速く走れるとかそういう選ばれし男たちの形容詞であったが、おじさんになると、「ちゃんとしていればいい」わけだから、全メンズが「かっこいい」の有資格者となれるのだ!
なんとありがたい。
だって、かっこいいを目指すのって、〝ホームラン打て“って言われているようなもんで、どうすればいいの?って感じじゃないですか。でもちゃんとしろって、たとえば、寝ぐせのまま会社いかないとか、しゃべり方ちゃんとするとか、遅刻しないとかそういうことで、誰にでもできることだ。
では、次回はいよいよ谷まりあちゃんおすすめのメンズコスメを紹介しながら、「ちゃんとしている」ように見えるにはどうすればよいのかをレポートしよう。
次の公開まで待てない人は目黒のとんきに行って、ちゃんとしているとはどういうことかを学んできてもいいかもしれない。
Text : Hideyoshi Fukuda
Photo : Shimpei Suzuki
Edit Yukari Tachihara