肌寒い朝晩には、ベストがベスト!
さて、132回めは「ブルネロ クチネリ(Brunello Cucinelli)」のベストです。
ポカポカ陽気に浮かれて、鼻歌交じりで出掛けてみたら、夜になった途端 激寒っ! 薄着で出てきた自分を恨みながらも 同じような過ちを繰り返してしまうのは、きっと春のせいなんですが、皆さんは いかがお過ごしですか?
暖かいってのに地厚なコートを着て出るのは さすがに気が進まないし、大好きなカシミアもそろそろ卒業。女性ならトレンチコートを腕まくりでもして コンサバレディを気取るんでしょうが、アウトレイジ顔で つねにハットを被ってる僕がトレンチなんか羽織ったら……、そう。銭形のとっつぁん。街の怪しい方々が顔を見るなり逃げ出し兼ねません。
バルマカーンタイプのスプリングコートや、薄手のジャケットを着ることが多いんですが、それでもちょっと肌寒さを感じる。そんなときに重宝するのが、今回のブルネロ クチネリのベストなんです。
ベストって基本的に背中は裏地で作るんです。ジャケットを羽織ったときに滑りも良く、中でもたつかず、着心地も良いから。
でも、クチネリのベストは背中も表地で仕上げているのがポイント。ジャケットやコートを脱いだときに よりカジュアルに見えるので、シャツの上や、なんならTシャツの上に重ねても様になるんです。
背中が裏地のベストだと そうもいかない。ちょっとドレッシーに見えるので、僕みたいなラフな格好に合わせると、ちょっとチグハグな感じがしてしまうんです。
しかも胸ポケットと、小さめなチェンジポケットが付いていて、いまの気分にもピッタリ!
カラーもクチネリが得意とするグレーですから、他のどんなアイテムとも相性が良く、使い勝手は抜群です。
ニューヨークを訪れると、ハット被って、口髭を蓄え、シャツやTシャツの上にベストを重ねた姿でバーバーやコーヒーショップで颯爽と働くスタッフが多くて、それが何ともカッコいい!
そんなの憧れて真似しているんですが、自分がなれているかには気づかないようにしています(笑)。
なにはともあれ、身頃、そして冷えるとすぐピーピーになりがちなお腹を温めてくれるので、朝晩が肌寒い春先にはとにかく重宝してくれていますし、最悪暑くなって脱いでも、畳めば小さく納まるので大した荷物にもなりません。
そして、寒い時期に食べ過ぎてポッコリと出がちなお腹を隠せるってのも最大の魅力。ただ、コレ着てると ますます甘えてしまいそうなので、ランニングの頻度をあげて、脱ぐ頃までには絞るようにします。
とりあえず、明日か明後日あたりから。
Photo:Naoto Otsubo
Text:Ryutaro Yanaka