●目的別入浴法
サウナはただ入ればいいものではありません。長時間耐久レースをするものでもありません。
実は、サウナは入り方によって効能が異なるのです。自分の目的にあった入浴法で、効率的に恩恵を得ましょう。
※時間やセット数はあくまでも目安です。自身と相談しながら無理のない範囲で行いましょう。
・血行促進
血行促進目的のアナタには、「温冷交替浴」がオススメです。これはサウナの基本的な入り方で、「サウナ→水風呂→休憩」を1セットとし、2.3セット行います。
[入浴法]
1.しっかりと水分補給をする
2.体の汚れを落とす
3.サウナに入る(5~10分)
4.汗をシャワーで流す
5.水風呂へ(1分程)
6.休憩(5~10分)
・ダイエット
ダイエットには「反復浴」がオススメです。水風呂に入らず常に身体を温めることで、体内の褐色脂肪細胞を活性化します。
3.4セット行うことが最も効果的ですが、水風呂によるクールダウンがありませんので、サウナに入る時間は短縮しても構いません。休憩時に十分な水分補給を心がけましょう。
[入浴法]
1.しっかり水分補給をする
2.体の汚れを落とす
3.サウナに入る(10~15分)
4.休憩(5分ほど)
・疲労回復
疲労回復やリラックスに最も効果的なのは「低温浴」です。低温の湿式サウナにじっくり時間をかけて入ります。乾式サウナよりも湿式、特にミストサウナが効果的です。
リラックスが目的なので、セット数はお好みで。湿度が高いので喉が渇きにくいですが、しっかりと脱水していますので水分補給は怠らないようにしましょう。
[入浴法]
1.しっかりと水分補給する
2.体の汚れを落とす
3.サウナに入る(15~20分)
4.休憩
●より効果を高めるポイント
・水風呂
「水風呂は冷たくてヒエッってなるから入らない……」というそこのアナタ!! それは非常にもったいないですよ!! サウナは水風呂と合わせた時に強い効果を発揮します。入り方もご紹介しますのでぜひ活用してみてくださいね。
①効果
水風呂に入ると、サウナで拡張されていた血管が収縮します。それにより、血管の伸縮性が高まるので血行が促進され、自律神経が整います。
また、熱さで広がった毛穴をキュッと引き締める効果もありますよ。
②入り方
水風呂はむやみに飛び込むものではありません。急激な寒暖差は心筋梗塞の原因にもなってしまいます。正しい入り方を学びましょう。
[入浴法]
1.低めの温度のシャワーで汗を流す
2.手足から順にゆっくり浸かる
3.浸かるのは長くても1分
あくまでも無理は禁物です。やっぱり水風呂は無理だという方は、低めの温度のシャワーを浴びるだけでも大丈夫ですよ。
・水分補給
サウナの健康管理として必須なのが、水分補給です。ですが、水分ならなんでもいいというわけではありません。
①オススメのもの
一番のオススメはスポーツドリンクです。なぜなら、体内の塩分濃度が再現され、人間が水分を最も効率よく吸収できるように作られている飲料だからです。一気飲みはせず、500ml程度を複数回に分けゆっくりと飲むことが大切です。
②NGドリンク
サウナに適さない飲料は、利尿作用の強い物と消化しにくい物です。具体的にはアルコールやカフェインが入ったもの、牛乳やプロテインなどがあげられます。
前者がいけない理由は、利尿作用が強く脱水症状を強めるからです。また、温まるとアルコールがまわりますので大変危険です。
後者に関しては、「お風呂上りの牛乳は最高でしょ!?」と意外に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。牛乳などの消化しづらい飲み物は、胃に血液を集めてしまいます。そのため血流が万全の状態にはならないのです。
・頻度
効果を実感するには、1度だけでは足りません。週1~2回を2ヶ月程度続けると最も効果的だと言われています。
最近はタオルやシャンプーなどを貸し出してくれるサウナ施設もあります。仕事帰りや休日の習慣にすれば、ビジネスマンでも無理なく続けられそうですよね。
・スキンケア
サウナ後の肌は、水分が不足し乾燥しています。さらに温められて開いた肌は化粧水の浸透率も大幅アップするため、男女問わず化粧水でのスキンケアは心がけたいところです。
施設にもよりますが、スキンケア用品を置いてくれていることもありますよ。
●サウナの危険性
嬉しいメリットがたくさんのサウナですが、危険な一面もあります。有名人がサウナ後に倒れた、というニュースをご記憶されている方もいらっしゃるのではないでしょうか??
ここではしっかりとその危険性について学んでいきましょう。
・ヒートショック
サウナ最大の落とし穴がこの「ヒートショック」です。これは急激な温度の変化がもたらす血管トラブルによって身体に害が生じるもので、高齢者を中心に年間1万人以上が命を落としています。
「温冷交替浴」などの熱さと冷たさを急激に切り替える入浴法は、血管の急激な伸縮によって血圧のジェットコースターが発生します。それにより心筋梗塞や脳卒中が引き起こされる恐れがあるのです。
そこまでの重大な症状にならなくても、めまいやふらつきが発生した時はすぐに入浴を中止してくださいね。
・こんな時には入っちゃダメ!!
ヒートショック以外にも注意すべき事柄があります。基本的な注意点は普通の入浴時と変わりませんが、留意するに越したことはありません。
①アルコール摂取後
前述のとおり、アルコール摂取後のサウナは大変危険です。血行が促進されることで酔いがまわりやすくなるので絶対に避けてください。
②食後
食後は消化のために胃に血液が集中していますよね。サウナは血液を全身に行き渡らせることで血行を良くするため、消化不良になることがあります。気持ち悪さや腹痛の原因となりますので注意しましょう。
③風邪
「高温によって風邪の菌が死滅するから、サウナは風邪に効果的」という理論は間違っています。
室温が100℃だからといって体内温度も100℃になっているわけではありませんよね。もしそうなっていたら、我々はローストビーフ状になってしまいます。
実際の体内温度は高くても40℃前後であり、この温度は細菌の活動が最も活発になる温度なのです。つまり逆に悪化の一途をたどるというわけです。
●まとめ
いかがでしたか?? 「今すぐにでもサウナに行きたい!!」とうずうずしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。最近はおしゃれなサウナ施設もたくさんありますよ。
ポイントは
・温冷の切り替えを起こすこと
・自分のペースで無理をしないこと
健康のためのサウナで体調を崩しては、元も子もありません。自分の体調と相談しながら、無理なくサウナを活用してくださいね。
Photo:Getty Images
Text:K.S