食べても太りにくいって本当!?
ロカボダイエット(糖質制限)がダイエットの王道となった昨今、「炭水化物は食べません!!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが炭水化物を全く摂らないとかえって健康に悪影響なのです。
そんな悩めるダイエッターたちの間で最近密かに話題なのが、「レジスタントスターチ」。今回はそんな新ワード、レジスタントスターチを徹底解説します!! これを読んでヘルシーかつセクシーなボディを手に入れましょう!!
目次
●炭水化物絶ちがNGな2つの理由
・口臭体臭の原因になる
・食物繊維不足になりやすい
●どのくらい炭水化物は必要なのか
●レジスタントスターチとは
・糖質制限を助ける炭水化物
・「レジスタントスターチ」とは
●消化されにくい4つの仕組み
●効果
・腸内環境改善
・血糖値上昇防止
・食べ過ぎ防止
・美肌効果
●レジスタントスターチを含む食材
●効果的な食べ方
●まとめ
●炭水化物絶ちがNGな2つの理由
近年、ロカボダイエットが流行していますよね。炭水化物を抑えれば抑えるほど痩せられると思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか? ですが、極端な炭水化物制限はかえって身体によくないのだとか。美と健康のためにしていることがあだになるなんて悲しいですよね。
・口臭体臭の原因になる
ハードな糖質制限を行うと口臭や体臭が強くなり、ツーンとした酸っぱい臭いがすることがあります。それは「ケトン体」が原因です。
人間は、食事で摂取した糖質をエネルギー源としています。そのため、糖質制限をすると体内の糖質が不足します。すると、身体は脂肪を分解してエネルギーを生み出します。この分解作業が肝臓で行われるときに、血液中に放出されるのがケトン体です。
糖質制限の程度がハードであればあるほどケトン体が増えますので、それに比例して口臭などもキツくなってしまいます。
・食物繊維不足になりやすい
炭水化物には、食物繊維が多く含まれています。炭水化物を絶つと食物繊維が充分に摂取できないため、便秘などを誘発してしまいます。さらに腸内環境が悪化し、いわゆる悪玉菌が増えてしまいます。すると体脂肪が増えたり、糖尿病や生活習慣病に罹ってしまう恐れがあります。
●どのくらい炭水化物は必要なのか
でも「糖質制限は良い」って聞きますし、食べた方がいいと言われてもいささか不安ですよね。そこでここでは、炭水化物の摂取目安量をお教えします!!
一般:食事の50~60%の炭水化物
ダイエット時:30~40%程度
ダイエット時の炭水化物量は、具体的には1食あたり150g程度が目安となります。一般的なお茶碗1杯が200g程度です。意外と量があってびっくりした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
●レジスタントスターチとは
・糖質制限を助ける炭水化物がある
どうせ食べるなら、よりダイエットや健康にいい炭水化物を摂取したいと思うのが人の常。糖質よりも食物繊維が豊富だと嬉しいですよね。そんな願いを叶えてくれるのが、今回ご紹介する「レジスタントスターチ」です。
・レジスタントスターチとは
人間の小腸などでは消化されずに大腸まで届くでんぷんのことです。
「レジスタント」(消化されにくい)+「スターチ」(でんぷん)という意味で、「難消化性でんぷん」などとも呼ばれています。
●消化されにくい4つの仕組み
そもそも、なぜレジスタントスターチは消化されにくいのでしょうか。
レジスタントスターチは、消化されにくい理由によって大きく4種類にわけられています。
①硬い組織に守られていることで消化酵素がでんぷんまで届かないタイプ (ex:雑穀)
②でんぷんの粒子そのものが消化されにくいタイプ (ex:未糊化でんぷんなど)
③一度加熱され糊化したものが、冷めたりする途中で一部のでんぷんが消化されにくい構造に変化したタイプ (ex:冷やご飯や春雨)
④でんぷんを高度に化学変化させたことで消化酵素が効きにくくなったタイプ (ex:加工でんぷんなど)
●効果
では、消化されにくいレジスタントスターチにはどんな効果が期待できるのでしょうか。以下で具体的に見ていきます。
・腸内環境改善
レジスタントスターチは大腸まで届くため、善玉菌の餌になります。すると善玉菌が増え、腸内環境が整うのです。
・血糖値上昇の抑制
食物繊維と似たレジスタントスターチの働きは、血糖値の上昇抑制に効果があります。ほぼ消化されずに腸内を移動することで消化が緩やかになるため、血糖値の急上昇が抑えられるからです。
・食べ過ぎ防止
レジスタントスターチを多く含む食材は消化がゆるやかなので、空腹を感じにくくしてくれます。さらに玄米やさつまいもを食べる際は多く咀嚼するので、満腹中枢が満たされるのです。
・美肌効果
腸内環境は美肌と密接な関係を持ちます。悪玉菌から発生する有害物質は、肌荒れなどを引き起こします。つまり、腸内環境が整えば肌の調子もよくなります。
●レジスタントスターチを含む食材
様々な嬉しい効能があることがわかったレジスタントスターチ。私たちの身近な炭水化物にはほぼ含まれている成分なのだとか。
特におすすめの食材は、豆類や大麦、サツマイモ、玄米です。
サツマイモはK-popアイドルたちもダイエット食材として食べているくらい、ダイエットに最適なんです。レジスタントスターチ以外にも食物繊維が特に豊富なのは、大きなメリットですよね。
玄米は極めて優秀な健康食品です。同じお米でも白米と比較すると、食物繊維は6倍、ビタミンEが12倍、ミネラルも豊富に含まれています。
●効果的な食べ方
レジスタントスターチは、食べ方でも増やすことができます。米やイモ類のレジスタントスターチに含まれるでんぷん質(アミロース)は、加熱すると減少し冷やすと増える特質があります。そのため、調理後に冷ましてから食べる方法が効果的です。
ですが毎回冷たい食事を摂るのはげんなりしてしまいますよね。煮豆を冷ますなど、無理せずできる範囲で行ってみてください。
意外な料理で言えば、ふかしたジャガイモを冷やして作るので、ポテトサラダも効果があるそうです。マヨネーズの入れ過ぎは逆効果なのでご注意を!!
●まとめ
いかがでしたか? 今まで敵視していた炭水化物に、実はこんな効能があったなんて驚きですよね。
ポイントは
・炭水化物は1日150gほど必要
・レジスタントスターチは食物繊維と同じ働きをする
・調理後に冷ますことでレジスタントスターチを増やすことができる
習慣的に豆を食べるようにしたり、白米を玄米に変えてみるなど、できることから始めていきましょう。最近は「ハイレジ(ハイレジスタントスターチ)」料理のレシピも充実してきています。ぜひ試してみてくださいね。
健康にいいからと言って食べ過ぎては、せっかくのダイエットが台無しですからお気をつけて‼
Photo:Getty Images
Text:K.S