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SONY 元異端社員の艶笑ノート 入社試験で『趣味は競馬』と口が滑って…

2016.12.1
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2016.12.1

他の人もキスを副社長に見つかっていた

 前回書いたソニーの話についていくつか感想がきた。

「あの頃はよかった」
「あの頃に帰りたい」

といったものや、

「あんなこと言ってるようじゃあ、お前は真面目に働いてなかったということだ」
「オレたちが働いていた裏で、お前は遊んでいたのか?」

 といったものもきた。
それらに混じって

「クラブのママをしてた秘書って誰なのか教えろ」

というのもきた。しかし、ぼくは彼女から口の固さを褒められた手前、誰にも言わないという約束を破るわけにはいかないのだ。
ところで、送られてきた中でひときわ目を引いたのは

「俺もエレベーターでキスしてるのを副社長に見つかった」

というものだった。
つまり、当時は各自それなりにヨロシクやっていたのだ。
でもその人が見つかったのは、ぼくが見つかった本社ビルではなく、そこからちょっと離れたところにある隠れ家のような事業所ビルでのことらしい。となると、副社長はそんなところまでいったい何しに行っていたのか……。

競馬新聞入社をあきらめて楽な道を選ぶ
©gettyimages

今回は時間を遡ってソニーに入った時の話をしたい。

Vol.1にも書いたように、大学生の頃からぼくは競馬に取り憑かれ、手作りの競馬新聞を配るほど熱中していた。馬券もたまには当たったが、ギャンブルなど予想は外れることのほうが多いため、こんなことで財産を築くなど土台無理なことはわかっていた。

大学4年の春。そろそろ就職のことも考えないといけない時期だったが、当時はまだのんびりした時代。普通にやっていれば何とかなるだろうと思っていた。友だちは銀行や証券会社など青田買いに走る会社と連絡を取り合っていたが、どうしても競馬が頭から離れなかったぼくは、いっそ競馬新聞に入ろうと思った。

実はぼくは3年生の時にふざけて日経新聞を受けて落とされたこともあり、競馬新聞だって新聞には変わりないじゃないかという妙な対抗心もあった。

ぼくは片っ端から競馬新聞に電話し、入社したいと言った。入って何をしたいかと聞かれ、予想をしたいというと、ほとんど同じ返事が返ってきた。競馬新聞で予想を書けるようになるには、まずは「トラックマン」を何年かやって、経験を積んでからというのだ。

トラックマンと言われたので、てっきり、トラックで日本中に競馬新聞を配達する仕事かと思ったらそうではなく、馬のトレーニングコースで調教を取材して報告する仕事だった。競馬が好きだったのにそんなことも知らなかった。馬を調教するそのコースがトラックという名前なのでその担当はトラックマンというわけだが、仕事はキツく、朝は日の出前に現場に行き、見たらすぐに状況を知らせ、その後は騎手や調教師に話を聞き、場合によっては朝まで酒を呑むのだという。

©gettyimages

「寝る暇もないよ」

電話の向こうで競馬新聞の部長という人が言った。

「そんなに大変なんですか」
「競馬が好きなら、ヘタにこっちに来ないで、ファンとして馬券を買っていたほうが楽だよ」
「でも、やりたいんですけど」
「悪いことは言わない。馬券を買ってたほうがはるかに楽だよ」

楽だ、楽だと説得され、ぼくは楽な道を選ぶことにした。

しかしすでに大学4年。まわりの人はみな就職活動を始めていたこともあり、ぼくは少々焦った。

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