若い頃、夫は朱里さんを誰かにとられたらどうしよう、と本気で心配していたという。
「気持ち悪い束縛というよりも、『朱里はかわいくてモテるから、ほんとに会社行かないでほしい』とよく冗談混じりに言ってくれました。ベッドの中で『どうせ年を取ったら見向きもしてくれなくなるくせに』と言うと、『じいちゃんとばあちゃんになってもラブラブでいような』と言ってくれていました」
朱里さんは、堪えきれずに涙をこぼした。「グレイヘア」という自分の選択を、夫が受け入れてくれるものと信じていたのだ。
「白髪染め大変だったら俺が金出してやるよ、と夫は言いました。『まだばあさんになるのは早いだろ』とか『劣化しちゃったなってみんなに思われてもいいのか?』なんて、ひどいことを言ってくるので、耳を疑いました」
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