製品評価技術基盤機構によると2019年から2023年までの5年間で、調理家電の事故が500件近く起こっている。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「タイパが重視される昨今。タイパ調理などがもてはやされています。しかもプロの料理家でない、自称料理家たちが急増。SNSで自作のレシピを公開し、人気を博すことも少なくありません」。
それ自体は一つの流れだkが、中には危険なレシピも多いと平塚氏は話す。
「例えば、炊飯器。ご存知の通り、これは米を炊くためのものです。中には調理機能が付いたものもあるようですが、それ以外のものでは推奨されていません。それを知ってか知らずか、自称料理家たちが飯器調理のレシピを続々とアップ。なにも知らない一般人は、低温調理機など、専用の調理器などを買うことなく、炊飯器で代用できるなんて!と飛び付きます。その結果、食中毒が起こるなどのケースもあるようです」。
同機構によると事故原因が判明したものは、使用者の誤使用・不注意が関係しているものが、約半数を占め、最も多かった。調理家電の製品別では電子レンジとIHコンロが多いそう。今回はSNSで見つけたズボラ調理で危うく、事故になる寸前の恐怖を味わった主婦に話を聞いた。
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遠藤三津さん(仮名・43歳)は2人の子を育てるワーママだ
「上の子が高校生になり、お弁当も作り始めて、本当に毎食作るって大変だなと改めて感じています。食べる量も増えているので小さい頃とは別次元で、量もお金もかかるんです」
そんななか、ズボラ調理は強い味方だったと過去形で話す。
「放っておくだけ、火を使わない、レンジ活用などはやっぱり助かりますよね。炊飯器調理も以前は行ったりしていましたが、なんとなく衛生面が気になっていましたし、直接的原因かはわかりませんが、壊れちゃったんですよ、炊飯器が。結局、新しく炊飯器と自動調理器を買いました」。
自動調理鍋は材料を入れてスイッチをオン。電気なので火も使わず調理ができることから人気を集めている。
「思ったより時短にはなりませんでしたが、材料を入れるだけっていうのは私には楽でした」。
生活スタイルに合う人にはいいが、合わない人もいるのでは?と三津さんは話す。
「なんでもそうですけど、ちゃんと見極めないとダメですね…。実はズボラ調理にのめり込んでたとき、すごく怖い思いをしたんです」。
それはInstagramで見かけた耐熱のビニール袋を使ったレシピだったという。