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「ボクかわいいね...」不審者スルーのこんな田舎は嫌だ!男性差別横行、無関心。恐怖に震える男児を見捨てる田舎の老害が放った一言とは

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「うちは夫の両親と同居しています。義父は現役時代は町で人気のある塾を経営していました。私が嫁いできた時にはまだされていましたね。今でもたくさんの教え子から年賀状が届くんですよ」

由梨花さんの目から見ても、教育に関係する情報にたいへん敏いという義父。

「文科省の動向や、子どもの間で流行っている病気とか問題視されている現象など、とにかくいつも情報を集めていて、未だに熱心だなと感じます」

子どもの教育はもとより、関連省庁や自治体の動きなどにも積極的にアンテナを張っているという義父は御年76歳。

「私たち家族は義父を尊敬していますし頼りにしているのですが、近所のザ・田舎のおじさんみたいな義父と同世代の人たちは、義父を揶揄的に『先生』と呼んだりして、逆差別というかインテリ扱いみたいな感じでディスることがあります」

昔から町内会で頻繁に子どもたちの通学路の危険箇所を報告したり、防犯カメラの設置を提案したりしてきた義父だが、このような姿勢に対して煙たがる住民がいたという。

「かっこつけとか出しゃばりとか、何も悪いことしていないのに義父は反感を買って、陰口を叩かれていると義母も言っていました」

そんななか、今年に入り、小学生の2人連れが下校している際、見知らぬ男性に呼び止められ、いきなり写真を撮られそうになって逃げるという出来事が町境で起きた。

「小学校からも中学校からも不審者情報としてメールが来ました。被害に遭った子の性別は書かれていなかったのですが、町内ではすぐに男児だったという噂が広まったんです」

この情報を受け、義父はすぐに自分の孫である小3の男児の下校に付き添うことを決めた。

「うちの子の学校は人数が少なく、学童に行かない子が集団下校の時に一人になることも珍しくありません。2年生までは一人下校時に先生が付き添ってくれますが、3年からは一人で帰ります。これを義父は危険視したんですね」

このことを町内の人と共有し、他にも心配な人がいれば、高齢者間でボランティアを募って付き添い下校を推進していこう、と提案した義父。

しかしそこで、田舎住みの高齢男性たちの、性犯罪に対する驚くべき認識の甘さが露呈することとなる。

後編に続く。

取材/文:中小林亜紀

PHOTO:Getty Images

▶︎後編に続く


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