そもそも、わざわざ生活道路や農道を抜け道に使おうなどという人たちは、せっかちでイライラしやすいのだろう。多くのドライバーが農道に見合わぬ高速で走行している、と菜穂子さん。せっかく抜け道を使っているのだから、少しでも前に行きたい、とでも思うのか。
「県道に出る時、左右どちらからも車が来ているのに、強引に出てくる車もいます。飛び出せば相手が止まるだろう、というくらいの感じですよ。自分のことしか考えていない運転です」
菜穂子さんの夫は現在、地域の自治会長を務めている。町の子どもたちを守るためにもこの状況を何とかしたいと、何度も窮状を役所に訴えたという。
「市役所の担当の方は親身になって色々聞いてくれたようですが、うちの辺りでトラブルが多い生活道路や農道には私道は含まれていません。
農道とはいえ一般車両も通行することが想定されているもので、つまり誰でも通っていい道なんです。舗装されていない狭い農道も含めて、一般車が通行してはいけないわけではないんですよね。せめて減速して、無理な合流をやめるなどしてくれたら安心なのですが」
自治会では、危険なポイントをマップ上で示して住民に注意を促す取り組みをしているが……。
後編ではさらに悪質なドライバーが起こしたトラブルをレポートする。
TEXT:中小林亜紀
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