「私は男が座って用を足すなんて、恥ずかしいこと。男らしくない。そんなふうに思っています。立ってすることがあまりにも当たり前で、それを変えるのが億劫だったとも言えるかもしれません。それに、きちんと狙えば、汚れるようなことはないでしょう?普段、妻はあまりしつこく意見をする方ではありませんが、この件に関しては何度か言われました。私はその度に拒否していました」。
ある日浩也さんは、妻が息子たちに座って用を足すよう促す姿を目撃する。
「それを見て、男なんだから立ってしろ!と。子供たちは不思議そうな顔をしていましたね。今考えればそうですよね。妻からは座って、私からは立ってと正反対のことを言われているんですから…」。
妻は浩也さんの態度にある提案をしてきたそう。
ーそれなら、トイレ掃除をして。
ムキになった浩也さんは数回はトイレ掃除をしたものの長続きせず、元に戻ってしまったらしい。【後編】では妻が抱えていた静かな怒りをさらに紐解いていきたい。
取材・文/悠木 律
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