男子トイレを素手で女子生徒に掃除させた教師の存在が明らかになり、物議を醸している。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「問題になっているのは福岡県久留米市の公立小学校。今年の3月に当時5年生だった女子児童は、翌日の卒業式の準備をしていたそう。自身の分担が早く終わったことを60代の女性職員に伝えるとトイレ掃除を指示されたと言います。ここまではまだわかりますが、その内容があまりにもひどいものでそこに対する批判の声が上がっている状況です」。
自分の雑巾を持ってきて、男子トイレの床を拭くよう指示されたというのだ。
「普段はモップやブラシで掃除しているのにもかかわらず、その日に限って雑巾でと指示したこと。さらには男子トイレであったこと、自分は掃除をせずにきれいじゃないなど、指示ばかりしていたこと、小便器を素手でトイレットペーパーで拭きあげるよう指示したなど、非常識すぎる指導が次々判明しています。女子児童は飛び散った汚れが嫌だったと発言しているそう。そりゃそうですよね。その後の学校の対応も誠実とは言えないもので、怒りが噴出したという経緯です」。
衛生的にも素手での掃除には問題がありすぎる。トイレ掃除は必要不可欠ではある。ただ、昨今は感染リスクもあり、専門の業者が行っていることも多い。未だトイレ掃除に精神論を持ち込む輩もいるようだが、あまりにも論理的根拠に欠ける。
今回話を聞いたのは、トイレがきっかけで家族離散の危機に追い込まれている男性の話だ。
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山下浩也さん(仮名・57歳)は、今、家族から軽蔑の目を向けられているそう。その原因のひとつが、トイレだと話す。
「もちろんほかにもいろいろ原因はあると思います。でも引き金になったのは、トイレです」。
そう、肩を落とす浩也さん。
「夫婦仲はいい方だと思っていました。妻は子どもが幼稚園のうちは専業主婦。そこからはパート勤めをしていて、家事の多くを担ってくれていました。食事もきちんと作ってくれるし、掃除や洗濯も平日は任せっぱなし。休日は掃除、洗濯、子供の送迎などを率先してやるようにはしてきました。ただ私は出張が多い仕事だったこともあり、できないことも多かったと思います。妻は不満はあったと思いますけど、口では稼いでくれたらそれでいいと言っていました」。
2人の息子は、高校生になった。
「段々と夫婦の時間が取れるようになってきた…そう思った矢先の出来事で…」。
引き金になったのが、トイレとはどういうことだろう。
「私はトイレで立って尿をしています。当たり前だと思っていたんですが、10年ほど前に、妻に座って用をたして欲しいと言われたことがありました」。
その声に浩也さんは「何馬鹿なこと言ってんだよ?」と答えたそう。