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驚異の馬力とステアリングの精度。ランボルギーニ・レヴエルトでサーキットを疾走!

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人生に潤いをもたらすランボルギーニ初の本格派V12プラグインハイブリッドカー

先月、この連載でフェラーリ・ドーディチチリンドリをご紹介しました。注目はデイトナ風なデザインもそうですが、やはりエンジン。電動化まっしぐらの業界において、12気筒の自然吸気エンジンを搭載したのですからユニーク。モーターなんて積んでいません。まさにフェラーリの唯我独尊さが伺われます。やはりこのブランドは独特です。

そういえば、先日映画「フェラーリ」を観てきました。業界人としては目を通しておかないと。1957年を舞台に描かれていたのですが、ミッレミリアのシーンは迫力満点でした。いろんな意味で公道スピードレースの“凄さ”を感じます。そんな映像を手掛けたのは監督マイケル・マン。80年代のTVシリーズ「特捜刑事マイアミバイス」の制作総指揮をとった人物です。“バイス”は人生の教科書。今もその世界観が自分の中に息づいているのを感じます。

話がそれましたが、今回はランボルギーニ・レヴエルトに注目したいと思います。このクルマもまた冒頭に記したドーディチチリンドリ同様V12エンジンを搭載します。もちろん過給器なしの自然吸気。と、ここまではフェラーリと同じですが、そこに3つのモーターを搭載します。そうです、こいつはプラグインハイブリッドカー。電動化を進めるランボルギーニのマイルストーンとして生まれました。

恐ろしいのはそのパワーで、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたシステム最高出力は1015hp。4桁突入です。ほんの数年前に500馬力オーバーの市販車が増えてきたと思ったら、それらの一部が700馬力や800馬力になり、ついに大台に突入しました。確か20年くらい前に1001馬力のブガッティ・ヴェイロンを試乗したことがありますが、4桁はそれ以来。まぁ、いろいろ言ってもクルマ好きにはたまりません。

レヴエルトの駆動システムは四駆で、デフォルトは後輪をミッドシップレイアウトのV12が動かします。エンジンパワーは単体で825hpというから、それで十分過ぎます。で、3つのモーターの1つがリアの駆動をサポートし、2つがフロントタイヤを動かします。なので、EVモードで走らせると「FF?」となります。そこだけ“キリトリ”するとなんかおもしろい。ちなみに、リチウムイオンバッテリーは床下ではなくセンタートンネルの位置にマウントされます。プロペラシャフトがいらないので、彼ら固有のレイアウトができました。無論、床下だとボディが厚くなって背が高くなっちゃいますから、スーパーカーではご法度です。

そんな大パワーの強者を今回はサーキットで走らせました。富士スピードウェイの本コースです。あいにくのウェットコンディションでしたが、リードカーもありそれなりに楽しめました。雨だと姿勢制御の始動が早くなりますから、じつはそれほど気を使わなくてもいいんです。なので、100R出口からのアドバンコーナーだけ少し気を使いますが、それ以外はそれほど慎重になる必要はありません。事実クルマは扱いやすく感じました。ステアリングの精度は高く、アクセルコントロールも精緻に行えます。ブレーキもそう。路面がウェットであっても狙ったところで欲しいストッピングパワーを抽出できます。

ドライブモードはピットロードを“CITTA”でEV走行し、コースでは一周目にハイブリッドモードの“STRADA”をそれ以降は“SPORT”と“CORSA”を使用しました。ピットロードの「音のないランボルギーニ」が一番異様でした。

雨の中で気持ちよく走れたのはタイヤも関係します。採用されたのはブリヂストンPOTENZA SPORT。パフォーマンスタイヤではありますが、ウェット性能も高そうです。あれだけの水飛沫をあげて挙動を安定させるのですから、水はけの良いトレッドパターンなのでしょう。“縁の下の力持ち”って存在です。

という感じで、ランボルギーニ初の本格派V12プラグインハイブリッドモデルを堪能しました。見た目のインパクトにやられそうですが、じつはユーザーフレンドリーなつくりなのがわかります。きっとその辺はVWグループ的な要因もあるのでしょう。値段は高いですけどね、人生に潤いを与えるクルマの一台であることは間違いなさそうです。



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