ふと、これが日常ならどんなにいいだろう、と思ったあゆなさん。
「相手は私よりも1歳年上で士業を生業にしています。服装にも食べ物にもお金をかけない夫とは真逆な人。
私が参加しているグルチャは絶対割り勘と決まっているのですが、彼は普段なら食事で女性にお金を出させることはないと言っていました」
食の好みも食に対するお金の価値観も夫とは正反対な人だ、とあゆなさんは思った。
「スイーツビュッフェでご一緒した時間が楽し過ぎて、お互いに離れがたいムードになってしまい、そのままそのホテルで部屋を取ってしまったんです。ホテル代もさっと出してくれて……。軽い女だと思われただろうなと、後々になって少し悔やみましたが」
いろんな美味しいお店にもっと行こうね、と言われ、あゆなさんは「こういう人が夫ならどんなにいいだろう」と夢想した。
「つい関係を持ってしまい後悔を感じつつも、何か新しい可能性を手にいれたような複雑な気分でした。何より、毎日の献立を考えるのにくたびれ果てた状態だったので、その日の夕食の支度がどんどん嫌になってきて、憂鬱になって……。私、帰りたくないと大泣きしてしまいました」
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