子どもの言いなりになってしまう親が増えているのかもしれない。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「先日もニュースでその話題が取り上げられていました。友達に揶揄されて、かわいそうだから脱毛サロンに通っている親子が出ていたのですが、驚くのはその年齢。お子さんは保育園に通う、幼児です」。
内閣府発表の3月に行われた消費者委員会本会議議事録によると2022年には2万件の相談が寄せられているという。
「もちろん倒産なども相次いでいますから、相談と言っても多岐にわたるとは思います。ただ若年層では脱毛が当たり前になりつつあるので、低年齢化による相談もあるのかもしれません。いずれにせよ、その年代の子どもであれば、お金を支払うことも契約をすることもできません。親がそれを容認しているか、親がやらせたいかの2択でしょうね」。
脱毛も整形もここ数年で、かなりポピュラーになった気がする。これはSNSによる影響が大きいだろう。拡散すればするほど、「みんなやっている」=「当たり前」になる構図だ。今回は息子夫婦が子どものいいなりになっているのでは?と感じるある姑に話を聞くことができた。
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金本理佐さん(仮名・64歳)は、首都圏に住むパート主婦だ。
「息子と娘に恵まれ、今はどちらも家庭を持って別々に暮らしています。息子の方は車で20分くらいの距離に住んでいて、頻繁に行き来があります。孫は11歳と8歳。どちらも女の子です」。
嫁との関係はさほど悪くないが、いくつか思うことがあるという。
「控えめというか、あんまり考えていないというか、子どもたちの言いなりでそこがすごく気になっています。私の印象だとなんでも買ってあげている、なんでも食べさせてあげているというイメージなんです」。
例えばどんなシーンだろう。
「アイスを買ったとするじゃないですか。やっぱりジュースがよかったと泣き喚くと買ってあげてしまうんです。夕食も嫌いなものはあまり出さないと聞いています。本人たちはのびのび、自由に育てたいなんて言っていますけれど、躾も必要だと思うんですが…」。
息子に話をすることはないのだろうか。
「数回話はしました。息子はさほど心配には思っていないそぶり。母さんからの助言はありがたく受けとるけど、今と昔は時代が違うから…なんて話をされます。子供のやりたいは全部叶えてあげたいそうです。お嫁さんもしっかり家では躾していますからというだけで…」。
先日も遊びに来た孫たちは、祖父母への挨拶もそこそこにずっとスマホをいじっていたそうだ。
「YouTube見たり、TikTokでしたっけ?あんなのもやっているようでした。友達とのLINEも使っているようなことを息子が話していました。幼い頃からあんなにスマホ漬けで大丈夫なのでしょうか。現に2人とも近視でメガネをかけています」。
それでも理佐さんは嫁姑問題は避けたいと、何も言わずにやってきたそうだ。しかし、今回ばかりはと顔をしかめるのが、美容整形だ。