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「中華製と馬鹿にする前に一度さわって乗ってみるといい」BEVの黒船か!? BYD ATTO3にチョイノリで分かったアレコレ

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■特徴は「カラオケ」だけにあらず。欧州車風の足回りが光る

目の前にした実物のATTO3は、写真でイメージしていたよりもスタイルよく感じた。ブルーのインテリアは品があり、ステアリングホイール前の液晶メーターは最小限だが、デザインがうるさい欧州車と比べると、運転には集中でき、適しているように思う。90度回転する15.6インチの巨大な液晶ディスプレイには驚いたが、大きさに慣れれば実に快適だ。また、エアコン吹出口やドアの内張り、インナードアハンドルなど、様々な部分のデザインが個性的かつ面白く、若さ溢れる遊び心が多彩に仕込まれていると感じた。

ATTO 3のセンターコンソール周りのデザイン。ドリンクホルダーに見えるのは別売のマイクで、車内でカラオケもできる

驚いたのは、試乗車のセンターコンソールに、マイクが設置されていたこと。実は中国国内ではクルマの中でカラオケが大流行しているそうで、ATTO3では、車内で車載アプリを通して楽しむことができるそう。SNSでは、「(カラオケ含む)インテリアがダサい」というコメントをみかけることがあるが、むしろ、現代の若者の感性に響くのはこちらかもしれない。

太めのタイヤやリアテールランプデザイン、厚めのリアドア、内装の質感は、欧州車のつくりに非常に近い印象がある

ドアを閉めると、「ガスン」と剛性感のある閉じ音がきこえる。ゆっくりと発進して最初の段差を乗り越えると、タイヤのタッチがとても柔らかいことが伝わってくる。車速を上げても、ボディが揺すられることもなく、チープな車体の安っぽさは微塵も感じられなかった。

オーバースペックな235/50R18大径タイヤやリアマルチリンクサスなど、足周りのスペックによる恩恵もあるのだろうが、質感の高い乗り味には正直驚いた。高速道路を走ることはできなかったが、加速フィーリングや音も含めて、まるで欧州製のBEVにのっているかのようなフィーリングだった。

 

■中国製品に抱いてきたイメージとは別物だった

ATTO 3は、筆者が中国製品に抱いてきたイメージとは別物だった。そして税込450万円(補助金含まず)はあり得ないほど安い。単純に価格が安いというだけでなく、コストパフォーマンスという面で、日本車メーカーはまったく太刀打ちできていない。

BYDは今後、コンパクトBEVのドルフィンに加えて、さらに質感高いセダンタイプの「SEAL」を、2024年年央に日本上陸させるという。日本では、ATTO 3含むBYD車が爆売れすることはないだろうが、驚きとともに焦りを感じた試乗だった。

Text:吉川賢一
写真:BYD、エムスリープロダクション



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