先日、栃木県にあるホンダ技術研究所へ取材に行った際、研究所に向かう車列のなかに、ホンダのS2000を何台も見かけました。取材先で(ホンダの中の人に)聞いたところ、いまもS2000に乗り続けているホンダ社員が多いそう。
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同社にはシビックタイプRという現代のスポーツカーもあるなかで、すでに販売終了から15年が経過しているS2000をホンダ社員が大切にしているようすが伝わってきました。平成の名車「S2000」について振り返らずにはいられません。
■ホンダ黄金時代に誕生したオープンピュアスポーツカー
S2000が登場したのは1999年4月のこと。ホンダ自慢のVTECエンジンにオープンボディ、高剛性シャシー、2シーター、後輪駆動、さらには6速MTのみという刺激的な内容で登場した、本格スポーツカーでした。
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当時放映されていたS2000のテレビCMは、わき道から突如現れたS2000がフルカウンターを決めながら走る映像が印象的で、走りの楽しさを存分にアピールしていました。当時のキャッチフレーズ、「Do you have a HONDA?」(ワクワク(ホンダ魂)してるかい?)も非常に懐かしいですよね。
S2000がいまだに多くのファンを虜にする最大の理由は、レブリミット9000rpmという高回転型の2.0リッター直列4気筒の自然吸気エンジンを搭載していることでしょう。最高出力250ps/8300rpm、最大トルク22.2kgm/7500rpmを発揮し、6速マニュアルミッションで後輪を駆動。これだけのポテンシャルをもちながら、排出ガスは当時の規制値をはるかに下回るという、環境にも対応した先進的なエンジンだった点も素晴らしいことです。
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シャシーは専用開発で、ボディ中央部に位置するフロアトンネルをメインフレームの一部として活用し、フロアトンネルを前後のサイドメンバーと同じ高さで水平につなぐ「ハイXボーンフレーム」を採用することで、オープンボディでありながら、重量を増加せずにクローズドボディと同等以上の高剛性と衝突安全性を実現するという凝ったつくり。また電動ソフトトップの開閉時間はわずか6秒と、さっと気軽にオープンエアを楽しむことができたのもS2000の魅力でした。