美菜子さんの言葉に舅は大きなため息をついてみせた。「日本はもう終わるな、男は女になりたがる、子作りはせん、国は守らん...」とぼやきながらリビングを後にしたのだとか。
「古い感覚に染まっている義父は、息子がスカートを穿いたりメイクをしたりすることが許せないんです。時代が成熟してこういう子が受容されるようになったとは考えてもらえません。こういう子が増えたから日本が衰退したと、そういう論理みたいですね」
子や孫世代の行く末を憂う気持ちはわからないではないが、当事者たちの幸福が何なのかがなかなか論点にならない会話はもどかしい。なお、美菜子さん親子は無事に除外申請を済ませたということである。
取材/文:中小林亜紀
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