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「水着撮影なんてエロい、公共施設にふさわしくない!」と騒いだ県議がエロ投稿。プール騒動続編で見えてきたリベラルな人たちとは

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

先日報じられた、埼玉県議・辻 浩司 氏による「わいせつ画像投稿」事件。知人女性のエロい画像をネットに投稿したカドで書類送検されたそうで、それが報道されるや否や、ご本人は光の速さで辞職されたんですが……

実は辻議員、昨年話題となった「埼玉の県営プールで予定されていた、違法性のない水着撮影イベントを不当に中止させた」騒動に加担していた議員の1人だったもんだから、それを知ったSNS界隈がドン引きする事態に陥りました。

だって「水着撮影なんてエロい、公共施設にふさわしくない」と暴れた本人が、実は裏で知人女性のエロ画像をネットにバラまいていたワケですから「体を張ったコント」とバカにされても仕方がない案件だったのです。

そんな最中、これまた奇跡的なタイミングの悪さで、県営プールを管轄する埼玉県公園緑地協会より「水着撮影会」のガイドラインが発表されました。

これ、実際に資料を見て頂けると早いんですが「こんな水着はエロいからダメ」「尻は突き出すな」などの禁止事項がイラスト付きで数ページに渡って列挙されており、協会職員さんが「下乳が少しハミ出る位なら良いですよね」「そもそも下乳の定義って?」みたいな激論を交わしつつ、イラストレーターには「もっと尻を突き出してもらえますか」などと依頼したのかな、そんな想像を呼ぶ、涙なしでは見られないガイドラインでした。

「埼玉県営 プール 基準」といったキーワードで画像検索すると一部が見られると思いますが、ご興味のある方は埼玉県公園緑地協会のページにある「お知らせ」から、ぜひ「全編」をご覧下さい。非生産的な内容なのに力作です。ところで……

なぜリベラルは怒らないのか?

真面目な話、本来ならコレ、真っ先に「リベラル」が激怒して噛みつくはずの案件なんですよね。だって権力側による服装やポーズ表現に対する規制・強制ですよ。「真っ当なリベラル」であれば、すぐに暴れる由々しき事態です。

が、ネット・SNSを見渡してみても、そんな反応をされているリベラルのアカウントは皆無で、むしろ賛成のコメントすら見られました。逆に「表現規制だろ」と批判しているのは保守寄りのアカウントだったりします。なぜだ。

もちろん件のガイドラインは「イベント用の会場利用ルール」ですから、守らなかったら貸しません、と言われておしまい、仕方のない話なんですが、そういうモノにも無理やりイチャモン付けるのが本来の「リベラル」だったはず。

や、今回は公共施設の話だろ、という方もいると思いますが、むしろ誰もが使う権利のある公共の施設だからこそ、妙なルールは極力追加すべきではないのです。違法ならダメ、そうじゃなきゃご自由に。議論するにせよ、スタートはここからです。

また公共の場においては「見たくない」という権利より、表現の自由が優先される、これも最高裁で決着がついている話です。無論エロも含まれますよ。

かつてのリベラル界隈は「エロい物は反体制的で良いね、どんどんやれ、性の解放!」と後押しすらしていた。それが良いかどうかは別ですが、でもそんなリベラルが、いつの間にか「エロい物はダメ」と禁止する人たち、「エロはすべて女性搾取だからダメ」と主張いう人たちに、なぜか変わってしまったんですよね。

また「女性を守れ」「女性に権利を」という主張につても、もちろんその主張自体は正しいし、そうあるべきですが、例えば水着撮影会の中止でピンチに陥ったのは、収入を絶たれてしまった水着モデルの女性たち、とにかく平成令和のリベラル、特にネットやSNSを主戦場にされているリベラルの方々は、主張とやっていることの整合性が取れていないケースが多いようです。

もしかしたら、リベラルという呼び名自体、もう時代に合わないのかもしれません。そもそも、あんまり「自由」じゃなさそうだし……。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。



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