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「おいおいついに大谷の結婚は「岸田」の陰謀だって!」 自民党は結婚を知っていた……と主張するトンデモない人たちの正体

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講演、メディア出演、執筆などを通じて、炎上の「火消し」からフェイクニュース対策まで幅広く発信している小木曽健氏によるネットニュース分析、推察コラム。

ビックリしましたね、大谷選手の結婚報告。以降ネットもマスメディアもこの話題で持ち切りですが、実はあの騒動の裏では「こういう時」にSNSで必ず見かける噴飯モノの陰謀論が飛び交っておりました。

X(Twitter)に「大谷 結婚 自民党 タイミング」というキーワードを打ち込み、検索してみて下さい。あ、笑っちゃダメですよ。

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「政倫審への注目を逸らす為、大谷はこのタイミングで結婚をぶつけてきた。キシダが大谷に発表タイミングを指示したんだろう」

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「自民党は大谷の結婚を知っていた。タイミングを合わせて政倫審を実施したのは明らか」

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だから笑っちゃダメ、みなさん本気です。大谷選手のインスタ報告から15分後には、もう「大谷陰謀論」が投稿されていました。気の毒な大谷サン……。

その夜、NHK「ニュースウォッチ9」ではトップニュースがやはり大谷選手の結婚ネタだったんですが、放送が始まった途端に「政倫審のニュースがトップじゃない!NHKも自民党から指示を受けている!」と憤慨する投稿が。みなさんちょっと落ち着いて。

この「○○の指示」タイプの陰謀論、実はずっと昔からネットで観測され続けている嘲笑ネタの一つです。これまでも、北朝鮮が弾道ミサイルを発射すれば「日本の国内問題から目を逸らすため、キシダが金正恩に指示して発射させた」と騒ぐ人が、大地震が起きれば「地震兵器を使ったな。不祥事への注意逸らしだ」と書いちゃう人が必ず出現しました。

そもそも北朝鮮を操り、意のままに地震を起こせるのなら、我が国の総理は地球の支配者ですな、凄いですね、としか言えないんですが、無論そんなワケはありません。

そんなトンデモな状況を見かねてか、鹿児島大の大薗 博記 准教授と昭和女子大の榊原 良太 准教授が、この手の陰謀論に染まる人々の特徴を分析されたそうで(2022~2023年)、その論文によると「陰謀論にハマりやすい人は『熟慮性が低い』傾向にある」とのこと。

つまり物事あまり考えず直感で判断する、論理的に考えるのが苦手な人は、陰謀論にハマりやすいという、無慈悲で身も蓋もない研究結果が出たそうです。まあ仕方ないでしょう。

コレ何が難しいって、熟慮性が低い人は自分のこと熟慮性が低いなんて微塵も思っていないワケで、いい歳した大人が「アナタは思慮が浅いから訓練した方が良いですよ」なんて言われたら、間違いなく面倒な事態になるし、下手したら「お前も闇の政府の回し者かっ!」と言われて終わるのです。

ただ「なぜ熟慮性が低いか」を掘り下げていくと、実は話がちょっと深刻になります。なぜなら陰謀論にハマる背景には、要因として(程度はともかく)何らか統合失調症などの疾患が存在しているケースも……少なくないからです。

原口さん!!

先週の金曜、「47NEWS」に掲載されたあるインタビューが各方面に衝撃を与えました。これまでマスコミの多くが「見て見ぬふり」をしてきた、立憲民主党の原口 一博 氏による「世界はディープステート(闇の政府)が牛耳っている」という陰謀論、すみません言い切りますね、荒唐無稽な陰謀論を真正面から取り上げたからです。

仮にも現職の代議士であり、かつては国務大臣まで務めた人物が、内外に向け陰謀論を発信し続けている今の状況、正直普通ではありません。立場のある人が陰謀論を発信すれば、ニセ・誤情報の拡散も加速します。

47NEWSの記者さんも、それをやんわりと伝えたようなのですがご本人にはまったく響かず。そもそも今、日本国内のフェイクニュース対策に必死に取り組んでいるのは、かつてあなたが大臣を務めていた総務省です。

前にも書きましたが、もはや党として場当たり的な対処ではなく、彼に対し何らかのケアを検討すべき時期でしょう。だって……何より彼は志を同じくした大切な仲間ですよね。ちょっと冷たすぎでは。友愛が足りないです。

 

Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員)

※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。



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