国会のデジタル化に関する衆院の与野党各派代表による検討会が5日に開かれ、一部をペーパーレス化することで合意した。一方で本会議場でのタブレット使用を許すかが議題に上がると自民・共産が「品位の上で問題がある」と反対したそう。この「品位」という言葉が物議を醸している。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。
「いまの国会で品位という言葉を出されたところで、共感しずらいという声がSNSを中心に上がっています。裏金問題を発端とした政治不信を考えるとわからなくもありません。今回対象となる衆院の「請願文書表」「委員会報告書」の2種類で、ペーパーレス化で1200万円の経費削減につながるとされています」。
ペーパーレスにするのにもまた法整備が必要になるとはいえ、このご時世に湯水の如くカラープリント、カラーコピーをしている現状には愕然とする。小学校でもタブレットが使われる時代だ。「品位」という言葉を出してまで頑なに受け入れない理由が「自分が使えないから」であるとするなら甚だ迷惑な話である。
今回話を聞いたのは、同じように自分が苦手だという理由でデジタルを頑なに拒む上司との果てしない戦いをある男性に聞いた。
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大山悟さん(仮名・42歳)は、地方の中小企業に勤めるサラリーマンだ。家庭では思春期を迎える2児の父でもある。
「子どもは中2と高2です。ありがたいことに娘も息子も仲良くしてくれます。SNSなんかの使い方は、彼らから学ぶことも多いですね」。
そんな悟さんが頭を悩ませているのが、57歳の上司だという。
「つい最近までスマホじゃなくてガラケー使っていたんです。たまにいるじゃないですか、そういう人。ポリシーがあってそれを選んでいるならまだしも上司の場合は、とにかく面倒くさいから、わからないからという理由。迷惑でしかありませんよ」。
事実、半年前まで連絡はすべて電話だったそう。
「ショートメール的なものもわからない、読めないの一点張り。パソコンのメールはかろうじて見ているようですがとにかく口頭、そして電話での連絡を求めてきます。私でさえ疲弊しているのだから、デジタルネイティブの部下たちには理解不能らしく、不平不満が爆発。結局板挟みになるのは私です。正直やってられません」。
悟さんはこれまで、何度も上司にスマホを勧めてきた。