北米トヨタは2023年11月、2024年のNASCARカップシリーズ(NCS)シーズンに向けた新型マシン「カムリXSEレースカー」を発表しました。過去2シーズンで18勝と25回のポールポジションを獲得したカムリの新型レーシングモデルにあたり、その迫力あるデザインには期待がかかります。
日本ではあまり馴染のないNASCARですが、いったいどのようなレースなのか、そしてカムリXSEはどのようなマシンに仕上がっているのか、ご紹介します。
■北米最高峰のカーレース「NASCAR」に、日本メーカーとして唯一参戦するトヨタ
NASCAR(National Association for Stock Car Auto Racingの略)とは、北米フロリダのデイトナビーチに本部がある、北米最大のモータースポーツ団体です。
北米ではMLB(野球)やNBA(バスケットボール)、NFL(フットボール)といった大人気スポーツと並ぶほど、爆発的人気を誇り、毎年2月初旬(2024シーズンの初戦は2月3~4日)から11月中旬までほぼ毎週末、年間36戦、40週に及ぶレースが行われ、しかも全米で生中継されています。
1年は52週なので、オフシーズンの冬季以外は常にレースがあるイメージ。F1は年間22戦、MotoGPは年間20戦、スーパーGTはたった8戦ですから、NASCARの人気の凄さがわかります。
NASCAR最大の見どころは、圧倒的なスピードでのスリリングなバトル。主に楕円型のオーバルトラックで行われており、広いオーバルコースでのレースならば、時速300 km以上にも達する超高速で周回します。他車を抜くためクルマを擦り付けながら、クラッシュも辞さないレース展開がファンを虜にさせています。
使用されるマシンは、一見、トヨタ・カムリやシボレー・カマロ、フォード・マスタングなど、アメリカ市場で市販されているストックカー(=工場出荷した状態)にみえますが、パイプで組んだフレームに、鉄板を貼って外観を市販車に似せたレース専用車両。
レギュレーションもイコールコンディションが徹底されており、他車を出し抜くような改造や電子制御デバイスを使うことは禁止。ピットイン時のチームワークとドライバーの腕が試される、そんなレースに、トヨタは日本メーカーとして唯一、参戦しています。
オジサン的には、映画「デイズ・オブ・サンダー」のトム・クルーズを思い出すのでは?