2017年7月に国内デビューした、トヨタのFFラージクラスセダン「カムリ」に異変が起きている。現行カムリは登場以来、日本でも人気が高く、2021年は月販平均1000台を誇り、販売台数TOP50に入るほどの人気であったが、2022年に入ると様子が一変。1月は742台、2月501台、3月457台、4月277台、と徐々に台数が下がり、TOP50から外れるようになってしまったのだ。なぜカムリはここまで販売台数を落としてしまったのだろうか。
■コスパのよさが最大の魅力
現行カムリのプラットフォームは、RAV4(2018年~)、ハリアー(2020年~)、シエナ(2021年~)など、7車種で採用されているグローバルプラットフォーム「GA-K」だ。レクサスLS用のGA-Lプラットフォームの下に位置する上級車台であり、パッケージングと性能、コストのバランスに長けていることが特徴だ。
トヨタの世界戦略車であるカムリは、特に米国で人気が高く、15年連続で米国乗用車販売台数ナンバー1を獲得するほど。その魅力は、なんといっても価格の安さだ。全長4900mm、全幅1840mmのラージセダンでありながら、ハイブリッド車で2万7980ドル(日本円換算だと361万円)という破格ぶり。
日本でも、348万円~というコスパを武器に、国内販売開始から半年間で約2万台も販売されるなど、期待を上回る高成績を残してきた。ホンダのアコードも、北米市場で人気を得ているモデルだが、アコードは車両価格が465万円(ハイブリッド仕様の1グレード販売)とカムリより100万円も高額。カムリが売れるのもうなずける。
さらにカムリは、2.5リッター直4エンジンに駆動用モーターを組み合わせたTHS-Ⅱを搭載し、燃費は24.3~27.1km/L(WLTCモード)という、ラージセダンとは思えないほど燃費のよさ(北米にはピュアガソリン仕様もあるが、日本市場向けのカムリはハイブリッドのみ)。この低燃費ぶりも、カムリ人気の理由であろう。