「小さい犬を抱いた人が向こうから歩いてきたんです。初めは住人の友達か何かかな?と思いましたが、鍵を開けて部屋に入っていったんです。明らかに住人ですよね」。
大家さんは1階に住んでいて、マリさんも顔見知りだ。
「少し年齢が上の女性です。すぐに彼女を訪ねて真相を確かめようと思いました」。
マリさんがインターホンを鳴らすと中から、大家さんが顔を覗かせた。あろうことか腕には小さな猫が抱かれている。
「絶句でしたね…。なんでこんなことになっちゃってんの?って」。
【後編】では、大家さんの言い分とマリさんの苦悩についてさらに話を聞いていきたい。
取材・文/悠木 律
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