「あんたたちの子どもを見るために帰ってきてるんじゃない」帰省鬱を解決する糸口とは
年末年始は、夫または妻の実家への帰省が恒例行事になっている家庭が多いだろう。
地元から離れて暮らしている人からすると、お盆や年末年始は実家に帰れるチャンスであり、自分の家族と過ごせる大切な時間だ。
「正直な話、妻の実家へ帰省するのがとても憂鬱なんです。妻の出身は沖縄で、実家に仏壇があるため帰省シーズンになると親戚たちが20名以上集まって酒盛りをします。お酒が飲めない僕は、その宴会が苦痛すぎるんです……」
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危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、帰省シーズン時期について語る。
「某人材派遣会社が既婚女性1,001名にとったアンケートでは、義実家への帰省が憂鬱な原因1位の「気を遣うから」が80%、2位の「休みたいのに休めない」が40%、3位の「義理の家族とうまくコミュニケーションがとれない」が29%といった結果になっています。
ネットやSNSでは、嫁が夫の実家へ行くのが嫌との声が目立ちます。しかし、夫が妻の実家へ行くのが嫌と感じているケースも少なくありません。嫁姑問題ならぬ婿姑問題といった言葉もあるくらいですから」
妻の実家へ帰省した際の気疲れと憂鬱、義実家付き合いのトラブルについて、結婚5年目の男性、鈴木渉さん(31歳・仮名)から話を聞いた。
「沖縄出身の妻とは学生時代に出会い結婚しました。娘が生まれたあとから年末年始は暖かい沖縄で過ごし、関東に帰ってきて僕の実家へ行くようにしてます。
僕の実家と住んでいるマンションは車で15分圏内で月に2~3回は顔を出しているため、年末年始は沖縄で過ごすようになりました」
妻は子どもが生まれたあとも、フルタイムで仕事をしながら家事育児をこなしている。渉さんの両親とも親密で、妻と娘、母の3人で買い物や食事へ出かけるほど仲がいいらしい。
「沖縄の義実家へ帰省するのは年に1〜2回です。正直、この時期になると憂鬱なんですよね……。僕はお酒が飲めなくて、1杯飲むとアレルギーのように体中が真っ赤になり気分が悪くなります。
沖縄の義実家では無理やり飲まされることはないですが、僕以外はビールや泡盛を飲んで宴会状態。自然と蚊帳の外になり、ずっと小さい子ども達の子守です。もちろん、女性陣は食事やお酒を提供するため座って休むなんてできていません。
妻もせっかくの帰省なのにゆっくりするどころかバタバタ、なんだかこき使われているような感じがしてモヤモヤしてしまうんです……。結婚当初は沖縄の風習にすごく驚きました。
家庭にもよるらしいですが、深夜0時まで飲み続けるところもあるようですよ。妻の親戚は子どもが多いので22時までには解散しますけどね」
妻は自分の両親と仲良くやってくれているため、年に数回しかない沖縄の帰省は「よい夫」の立ち振る舞いを努めているようだが、義実家へ行くたびため息が出て憂鬱な気分になるようだ。