今年ほど「歌舞伎町・ホスト」が話題となった年は無かったのではないだろうか。
ホストを巡る様々な事件が報道され、ホストに貢ぐため「頂き女子」というワードまで注目された。
さて、今回取材に応じてくれたのは、風俗嬢・エミさん(仮名・22歳)だ。
北陸育ちの彼女は、色白の肌に艶やかなミディアムヘアが似合うひな人形のような顔立ちだ。本人は「ややぽっちゃり」の体型を気にしているようだが、癒し系ともとれる魅力を放っている。
彼女に、ホストにハマった経緯を訊いてみた。
「私の勤める風俗店にお客様としてホストの彼・タクト(仮名・26才)が来てくれたのがきっかけでした。
長身で韓流アイドル系の彼を見た瞬間『なんて美形、超タイプ!』と思いましたね。
思わず『あなたほどのイケメンが、なぜ風俗に?』とたずねてしまって……。
すると彼は『歌舞伎町のホストクラブで働いているんだけど、正直日々の接客に疲れちゃって、たまにはプライベートで癒されたいと思って』と言ってきました。
その際に名刺をもらったのですが、今思うと彼の営業にまんまと引っかかったという感じです(笑)。
私が勤める店は『120分で6万円』と吉原でも高級店です。そのうち5万円が私の取り分で、最低でも1日20万は稼いでました。
チップも含めて平均月収は450万~500万ほど。
ホストにしてみれば、風俗嬢はいいカモだと思ったのでしょうね。でも、一目惚れした私は、彼に会いたい一心でのめりこんでしまったんです」
風営法の改定により、ホストクラブは1部(19時~深夜1時)と2部(朝6時~12時)で営業する店がほとんどだ。タクトさんは1部営業のホストだった。
エミさんは語る。
「風俗店ではお客様との連絡先交換は禁じられています。でも、彼とはすぐにLINE交換しました。
タクトが勤める店、歌舞伎町のホストクラブ『X』の在籍ホストは70名。店内はメタリックでゴージャスな異空間という印象。
私が来店すると、入り口付近の待機席にいた20名ほどのホストが一斉に立ちあがり『いらっしゃいませ!』と一礼し、一気にテンションが上がりました。
この時点でもうお姫様気分。そこにスーツ姿のタクトが『姫、いらっしゃいませ』と優しく席までエスコートしてくれて、さらに浮足立ちましたよ。
料金システムの説明があったんですが、ここはタクトを応援しなくちゃと思い、事前に『今日は100万使うから、適当にボトルおろして』と伝え、高級ブランデーを入れてもらいましたね。
やっぱり初回のインパクトって大事ですよ。店によっては『初回客は120分・5000円・ハウスボトル』とか『セット料金と焼酎一本で3万円』などと低価格を謳っていますが、私はセコい呑み方はしたくなかった。売り上げに貢献して『彼の特別』になりたかったんです」
エミさんの恋愛事情も気になるところだ。
「実は私、恋愛依存症な部分があるんです。好きな人には毎日LINEしたいし、毎日会いたい。一緒に住むのもアリです。
でも、過去の彼には『重い』ってフラれることが多かったかな。特にお酒が入ると、情緒不安定になって彼にLINEしまくったり……。
一度お酒を辞めたんですが、タクトとの出会いをきっかけに、また呑み始めました。ちなみに、心許せる女友達はゼロ。女って裏切りますからね」
タクトさんとの出会いをきっかけにホストクラブに通うようになったエミさんは、収入のほとんどをつぎ込むようになった。
「私の仕事は、朝8時~16時までです。もちろんその日の指名によって差はありますが、基本は夕方までなので、夜は彼のホストクラブに出勤(笑)」
ただ、エミさんには、どうしても許せないことがあった。