2019年以来4年ぶりの開催となった、東京モーターショー改め、ジャパンモビリティショー(JMS)。参加企業・団体数は前回の倍以上となる475にも及び、自動車メーカーのみならず、モビリティに関するさまざまな展示をみることができた。やはり多かったのは、自動車業界が抱える「カーボンニュートラル」を意識した展示だ。
「日本はBEVにおいて世界に後れを取っている」といわれているが、日本の企業は本当にダメダメなのか? JMSの取材を通して筆者が感じた日本企業の底力をご紹介しながら、BEVだけが正義なのか、改めて考えてみよう。
■「BEVだけが正解ではない」というメッセージが込められたJMS
今回のJMSでは、確かにバッテリーEVの展示台数は多かったものの、どちらかというと、電動バイクや小型モビリティ、新たな移動空間を備えた乗り物を表現したコンセプトカーが中心であったように思う。
そしてそれと同じくらい、ガソリン車やハイブリッド車も多く展示されていた。BEVのみを展示していたのは、中国企業のBYDと、ソニー・ホンダモビリティのアフィーラ程度ではないだろうか。
たとえばトヨタブースだと、壇上に並んでいたコンセプトカーはいずれもBEVだが、一段下には、ランドクルーザー250、センチュリー、クラウンクロスオーバーなどのハイブリッド車、そして水素燃料電池車のクラウンセダンが並んでいた。
日産も同様、壇上のコンセプトカーはすべてBEVだが、その下には、純ガソリン車のGT-R NISMO、フェアレディZ、スカイライン等が並んでいた(しかも大人気だった)。ホンダは、小型ジェットや小型モビリティも出展されていたが、プレリュードコンセプトやプロローグなどのハイブリッド車もあった。
マツダ、スバル、三菱も同様に、BEVとハイブリッド車が半々くらいで並べられていた。様々なパワートレインを堅実に用意していく姿勢が確認でき、これらは国産メーカー各社による「BEVだけが正解ではない」というメッセージであったように思う。