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秋空がよく似合うマセラティMC20チェロで爽快ドライブ!

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カッコいいブランドのカッコいいクルマですから カッコよく乗りこなしてやってください

最近気になるブランドがあります。イタリアの伝統的なカーメーカー、マセラティです。ギブリ、レヴァンテが富裕層の中でブームになって以来、このところ少しご無沙汰という感じでしたが、昨年末からじわじわと新型SUVグレカーレが頭角を表し、グランツーリズモも蘇りました。BEVのフォルゴーレが追加されることが発表されたことからも期待は膨らみます。というか、ガソリンエンジン車とBEVをこのタイミングでほぼ同時にアナウンスするのですからニクイですよね。彼らが本来つくりたかったのは色気たっぷりのガソリンエンジン車でしょうが、世間との折り合いをつけるためBEVもラインナップしたのかと思われます。あくまでも主観ですが。いずれにせよ、今後マセラティのあの走りを体感する機会が増えます。

そんな流れの起点になっているのは、ご存じマセラティMC20。このクルマはマセラティのリブランドのアイコンとして生まれました。“MC”はマセラティ・コルセ(レーシングの意)の頭文字で、20はリブランドのスタートを切った2020年を指します。つまり、ここから新世代に突入ということです。100%メイドインイタリー&モデナを念頭に置き、エンジンも22年ぶりに自社製となりました。MC12振りのミッドシップレイアウトのスーパーカーです。

なんて前置きはともかく、今回ご紹介したいのは、マセラティMC20チェロです。チェロ(Cielo)はイタリア語の“空”であり、オープントップのことを意味します。通常なら、ロードスターとかスパイダーとかコンバーチブルとか言いたいところですが、そこを独自に表現するあたりはさすがイタリアの企業。クセの強さが際立ちます。冒頭に記したBEVのファルゴーレもイタリア語の“雷”のこと。電気自動車を雷で表しました。

ではMC20チェロの特徴ですが、ルーフはガラストップでそれが稼働してオープンエアとなります。スイッチはモニターの階層内にあり、矢印を指で押すと約12秒で頭の上に青空が広がります。トップを収納するので、クーペでは見えていたエンジンが見えなくなるのは残念ですが、オープントップはそれ以上のメリットがあると言っていいでしょう。気持ちのいい乾いた風を感じられます。特にこの季節は。

それにガラストップに仕掛けがあって、スイッチでクリアガラスがスモークになります。旅客機の窓にも使われるスマートガラスです。きっと今話題の渋谷の映えるスポット「透明トイレ」も同じような仕組みでしょう。太陽が眩しい時はしっかりダークスモークになるので、運転に支障はありません。

エンジンはクーペのMC20と同じ3リッターV6ツインターボが積まれます。最高出力は630ps。ドライブモードをデフォルトの“GT”から“スポーツ”や“コルセ(レーシング)”にすると、マセラティらしいエキゾーストノートが響き渡ります。20年近く前のクアトロポルテを思い出しますね。ただV6なので、あの当時のものとは違いますが。

速いのは当然ですが乗り心地も悪くありません。特に“GT”モードでは細かなピッチングは感じられず、フツーのクルマとして乗っていられます。これなら助手席から苦情はないでしょう。屋根を開けば、賛辞しか聞こえて来ません。多くの人が感動してくれるはずです。

なので、人目の多いところで颯爽と乗りこなしたいところですが、見た目通り色々と不都合はあります。全長は短いのですが全幅が広く細い道や駐車場選びは慎重にならざるを得ません。相互方向の細い道で渋滞をつくったら歩行者の目線が痛くなります。なので事前に通る道は決めておいた方がいいかもですね。なんたってスーパーカーですから。ただ、ステアリングにある車高を上げてくれるリフトスイッチは役に立つので多用するといいと思います。ちょっとした勾配でも前後バンパー下部が擦りそうですから効果は大きいかと。ガガガっと音を出したらみんな振り向きます。注目度大ですね。今回は茨城のゴルフ場の往復や横浜の撮影などで三日間走り回りましたから、そこは実証済み。幸いどこも擦りませんでしたが緊張の場面は何度かありました。そんなクルマですがカッコよさはピカイチ。スーパーカー好きの皆さま、ぜひカッコよく乗りこなしてやってくださいませ。

 



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