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クルマ好きに悲報! 生産中止が発表された"シボレー カマロ"をラストドライブ

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どのヒエラルキーにも入らない 自由の国アメリカの自由なクルマ

今さらですが、クルマ選びは難しいですよね。サイズや燃費、ブランドイメージもそうですし、ある程度トレンドも踏まえなくてはなりません。それに価格やリセールバリューも。自動車業界は新車販売も中古車販売も大きな潮流の中で成り立っていますから。

ただそういった“しがらみ”的なものを度外視すると景色が変わるのをご存知ですか。もっと自分自身の本能を解き放ったようなクルマ選びなんても悪くないと思います。コロナ禍でわかっちゃいましたからね。平穏でルーティーンな日常が明日も来るとは限らないことを。

なんて話をするのは、ちょっとおもしろいクルマを運転したからです。それはシボレーカマロ。かつてアメリカ車を代表した一台です。

今回カマロをGMジャパンから一週間お借りしたのは理由があります。カマロの生産中止がアナウンスされたのです。リリースが出たのは今年3月。それによると来年1月ミシガン州の組立工場から出荷されるのが最後のカマロとなるそうです。なんとも悲しいお話。ワタクシも若い頃、カマロやマスタングに憧れましたからなんとなく虚しいです。

生産終了の理由は言わずもがな販売不振。そりゃそうですよね、世界的なSUVブームです。2+2のビッグクーペには誰も見向きしません。駐車場で隣のクルマと近すぎるとドアがデカすぎて降りられませんし。

でも、だから今こういうクルマがいいんじゃないかと思いました。ウルスやベンテイガを頂点とする“SUVヒエラルキー”には組み込まれませんし、2列シートにするか3列シートにするかなんて悩みもいらない。定員は4名ですが、概ね二人しか乗れません。

それによくよく見るとスタイリングはカッコ良く、キザなヨーロッパのクーペにも負けておりません。お借りしたカマロがブラックだったせいでしょうか。ハイエンドなスポーツカー風に見えました。さらに言えばサイズもグッド。その昔巨大に思われたカマロですが、周りのクルマが大きくなったことで今や逆転しています。全幅1900mmは、ジャガーFタイプやメルセデス・ベンツSLよりも細い。意外でしょ!

しかも走らせたカマロSSのエンジンは6.2リッターV8の自然吸気。モーターやリチウムイオン電池は積みません。ターボもスーパーチャージャーもない、今一部のクルマ好きの間で話題の自然吸気エンジンですから希少性バツグン。アクセルに対するグイッとくるトルクの出方とドドドっというエンジンサウンドで運転が楽しくなります。「思わず頬が緩む」とはこういうことですね。このフィーリングだけでも価値はあります。まぁ、生産終了の理由の一つにはこれも関係していることでしょうが。アメリカにおける電動化の流れは日本のそれよりも早そうです。

ちなみに、最後となる現行型は2017年にリリースされた6世代目で、この他に2リッター直4ターボエンジンのクーペとコンバーチブルがあります。見かけはほぼ同じなのでコンバーチブルを選ぶのもいいかもですね。でもこのフィーリングを味わると「V8一択!」となると思います。

ということで、今回は久しぶりのカマロドライブでの感動から皆さんへ「こんなクルマの選択もありなのでは?」という話をしました。前述した昨今の“SUVヒエラルキー”に属さない自由な感じが素敵です。コルベットだと“スポーツカーヒエラルキー”に入りそうですしね、やはりカマロは別枠かと。当然“電気パワーヒエラルキー”も無視ですねこのクルマは。

ついでに言うと、左ハンドルのビッグクーペというのもお宝ポイント。ヨーロッパのメーカーは皆日本向けは右ハンドルになりましたからこちらも希少です。SUV選びで悶々としている方、こんなカマロいかがですか?



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