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ポルシェの新型カイエンはここが進化した!

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隠し味は“ラグジュアリー”というエッセンス

昨年ポルシェで一番売れたモデルってなんだと思いますか? 答えはカイエン。2番のマカンと合わせると販売台数の三分の二近くを占めるそうです。まぁ、実用性を鑑みればそうなりますかね。SUVはトレンドでもありますし。

台数の多い国は一位が中国、二位がアメリカとなります。中国ではV6モデルが人気だとか。となるとアメリカはV8ですかね。ちなみにEUでは補助金の関係からかハイブリッドモデルが売れているそうです。三者三様ですね。

そんなカイエンのマイナーチェンジモデルに乗ってきたというのが今回のお話。場所はオーストリアのザルツブルク郊外。スキーリゾートですね。オリンピックシティのインスブルックからも遠くありません。お隣ドイツのミュンヘンからもクルマで2時間くらい。アウトバーンがありますからクルマでの移動は楽そうです。

モデルはV6エンジンを積んだスタンダードのカイエン、それにモーターを付けたカイエンEハイブリッド、V8ツインターボのカイエンSとなります。最上級にターボGTがありますが、今回日本へは導入されないようです。理由は排ガス規制をクリアできなかったから。となるとカリフォルニアは絶対ダメだし、販売できる国は限られますね。ただ、ポルシェとしてはそこはあまり拘っていない模様。というのも、今年中にこれまで以上にパワフルなV6ハイブリッドとV8ハイブリッドを用意する予定だとか。後者はラインナップ中で最高出力を発揮するというから驚きです。ターボGTを上回るとなると相当なパワーの持ち主になることでしょう。

さらに言えば、2年後にはエンジンを積まないフルEVを投入することが決まっています。この大きくて重たいボディをバッテリーだけで動かすのですから立派です。タイカンの技術の応用でしょうね。2030年には新車の80%をフルEVにするという宣言は鋭意遂行中です。

では新しくなったカイエンですが、見た目は大きく変わりません。ヘッドライトユニット、リアコンビネーションランプ、ボンネット、リアデフューザーあたりをデザイン変更したくらい。あとは共同開発したタイヤかな。20インチをデフォルトに、オプションで22インチのピレリ製パフォーマンスタイヤを用意しました。

インテリアは大きく変わります。メータークラスターにセンターメーターの造形はなく、全面デジタル化しました。またオプションで助手席前にもモニターを設置。そこでナビや音楽、エアコン調整ができるのはもちろん、動画も観られます。助手席のパートナーを飽きさせません。動画は運転席からは角度的に見えなくなっているので、よそ見して危険な目に遭うリスクは低く保てます。

パワーソースは各モデル適度にパワーアップしました。V6は353ps、V6ハイブリッドは470ps、V8は474psを発揮します。そもそも速いクルマだけに、そこはこだわりました。今やこのカテゴリーのSUVはどれもハイパワーですからね。販売台数を稼ぐにはライバルに引けを取らない大きな数字が必要となります。

それではどこが一番大きく変わったかというと、乗り心地ではないでしょうか。サスペンション全体を見直すことで快適性を高めています。これはドライブモードを“コンフォート”にするとわかります。路面の入力を柔らかく包みますし、伸び側のストロークも長く感じられます。ポルシェに乗ると“スポーツ”と“スポーツ+”モードにばかりに意識が行きますが、新型ではその真逆の方向を広げました。

理由は、彼らが“ラグジュアリー”を意識し始めたからです。これまでスポーツ一辺倒なブランドに新たな価値が加わりました。となると、新型カイエンもそうですが、これから姿を現してくるモデルも気になります。確かにポルシェのラインナップに2000万円オーバーの車両が増えてきましたから高級感は必須でしょう。でもあらためて考えると、これまでラグジュアリーを考えずに来たんですからやはりすごい。唯我独尊といいますか、さすがポルシェです。



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