近年、「婚外恋愛」に悩む女性を対象としたカウンセリングが急増している。
婚外恋愛とは事実上の「不倫」だが、2002年に同名のテレビドラマが放映されたことにより、「婚外恋愛」という言葉が浸透してきた。その背景には「人の道に外れた不倫」よりも、「自分は純粋な恋愛をしている」という切なる思いがあるのかもしれない。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹はこのように語る。
「近年は婚外恋愛という言葉が用いられていますが、行為自体は不倫と変わりません。故にその事実がバレて訴訟を起こされたら、当然慰謝料の支払い義務が発生し、さらには親族をはじめとする周囲の人間にまで影響を及ぼします。
もし婚外恋愛をするにしても、余りあるリスクを考慮することは必須でしょう」

今回は、マナー講師のかたわら、婚外恋愛カウンセラーとして多くの女性の問題解決に取り組んできたリサコさん(仮名35歳・既婚・子供アリ)を取材した。
「マナー講座を受講する生徒さんから『恋愛の相談に乗って欲しい』との声があり、副業でカウンセラーを始めたのが4年前です。私自身、妻子ある男性と不倫をして、前妻から彼を奪った経験があるので、皆さん、その秘策を知りたいのでしょうね」
彼女は続ける。
「会社経営者の夫とは仕事関係のパーティで出会いました。ダークスーツの似合うイケオジタイプ。既婚者と知っていましたが、ビジネスで顔を合わせるたび、彼の優しさや温かさに惹かれていって……。
彼も私に新鮮な魅力を感じてくれたようで、3カ月後には不倫関係になりました。ただ、当時はまさか自分が略奪婚をするとは思っていなかったんです」
意外なことに、彼女の選択肢に「略奪婚」はなかったようだ。
「仕事を頑張りたい気持ちのほうが強かったですね。小さい頃から都会に憧れていましたから」
そうほほ笑むリサコさんの実家は九州の田舎町だ。両親と3つ違いの姉との4人家族。姉は幼なじみの男性と結婚して、2人の子供の母となっている。その姿を見て、結婚願望は薄れていく一方だったという。
「帰省のたびに所帯じみていく姉を見ると、いつも歯がゆい気持ちになってしまって……。私は子供のころから華やかな都会に憧れていたんです。
だから不倫中も『お互いの美味しいところ取り』みたいな感じで満喫していましたよ。家事や育児などの面倒な部分は奥さんに任せて、私の前では『カッコいい彼』でいてほしい。私も都会的な女でいたい。ビジネス仲間としてもいい関係を築けたらと思ったんです」